シェアハウスを舞台に《年の差10歳》の2人が綴る、爽やかなときめきと感動の物語。26歳のOL・榊さんと高校1年生の直達を中心に、曲者揃いのシェアハウスの賑やかな日常を描いた本作は、圧倒的支持と高い評価を集める田島列島の同名漫画の映画化。
過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する主人公・榊千紗を演じるのは、広瀬すず。国民的女優として常に飛躍をしてきた彼女が、感情を表に出さないクールなオトナ女子役で、新たなステージに挑む。
榊さんに淡い想いを寄せる直達役に抜擢されたのは、若手期待の俳優・大西利空。『キングダム』シリーズで主人公・信の幼少時代を演じるなど確かなキャリアを積み上げ、満を持して等身大の高校生役を演じる。直達の叔父・茂道(通称:ニゲミチ先生)役には、高良健吾。ユーモア溢れる脱サラ漫画家を抜群の存在感で魅せた。
直達に想いを寄せ、榊さんに対抗心を燃やす同級生・楓役を初々しく演じたのは、『かがみの孤城』で一躍脚光を浴び、本作が長編実写映画初出演となる當真あみ。さらには、戸塚純貴、勝村政信、北村有起哉、坂井真紀、生瀬勝久らが会話劇を盛り上げる。
監督は、『そして、バトンは渡された』の前田哲。心の揺れ動きや溢れ出る感情を丁寧に映し出した。主題歌はスピッツが担当し、本作のために書き下ろされた新曲「ときめき part1」が、登場人物たちの心情に寄り添い、この物語を一層彩っている。10歳年下の直達のまっすぐな想いが、榊さんの止まっていた時間を動かしていく。
この雨の日の出会いが、世界を変えた。
通学のため、叔父・茂道の家に居候することになった高校生の直達。だが、どしゃぶりの雨の中、最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。
案内されたのはまさかのシェアハウス。いつも不機嫌そうにしているが、気まぐれに美味しいご飯を振る舞う26歳のOL・榊さんを始めとし、脱サラしたマンガ家の叔父・茂道(通称:ニゲミチ)、女装の占い師・泉谷、海外を放浪する大学教授・成瀬と、いずれも曲者揃いの男女5人、さらには、拾った猫・ミスタームーンライト(愛称:ムー)をきっかけにシェアハウスを訪れるようになった直達の同級生で泉谷の妹・楓も混ざり、想定外の共同生活が始まっていく。
そして、日々を淡々と過ごす榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、なぜか「恋愛はしない」と宣言する彼女との間には、過去に思いも寄らぬ因縁が。
榊さんが恋愛を止めてしまった《本当の理由》とは。
田島列島の傑作漫画「水は海に向かって流れる」が、主演 広瀬すず、監督 前田 哲で映画化!
ある雨の日、高校生の直達(大西利空)が出会ったのは過去の出来事から心を閉ざして過ごすOL・榊さん(広瀬すず)。
通学のため叔父・茂道(高良健吾)の家に居候することになっていたはずが、そこは個性的な人たちが暮らすシェアハウスだった。
漫画原作でその導入部分だけを聞くとラブコメ的なストーリーなのかと想像してしまうが、作品の持つ空気感は全く違うもので割と重い雰囲気から物語は始まる。
気まぐれに料理を振る舞うことはあるけれど、なんだかいつも怒っている榊さん。
「私、一生恋愛しないから」
彼女がそう宣言するのは何故なのか。
クールにも思えるけれどその心の中にはいつも怒りの感情が渦巻いている女性、榊千紗(さかきちさ)を演じるのは 広瀬すず。無表情でありながら熱量は高いという難役に挑む。
メガホンをとるのは、『そして、バトンは渡された』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などヒット作が相次ぐ前田哲。
どの作品でも共通しているのは、訳ありな家族との向き合い方と真っ直ぐな想いで支えてくれる存在だ。
繊細な感情や言葉にしきれないような想いを丁寧に映し出し、美しい情景も語りかけてくるように感じる。
脇を固める出てくる人物が憎めないのも魅力のひとつだ。
今作でいうと、戸塚純貴や勝村政信、生瀬勝久などそれぞれに味があり印象に残る。
特異な話でありながらも彼等の演技は非常にフラットで、そこに人間らしさが詰まっているように思う。
だからこそ前田哲監督作品は受け入れやすいのだろう。
主題歌であるスピッツ「ときめきpart1」が彼らを、そして観ている私たちを優しく包み込んでくれた。
キャスト: 広瀬すず
大西利空
高良健吾 戸塚純貴 當真あみ 勝村政信
北村有起哉
坂井真紀 生瀬勝久
監督:前田哲
原作:田島列島「水は海に向かって流れる」 講談社「少年マガジン KCDX 」
刊)
脚本: 大島里美
主題歌:スピッツ「ときめきpart1 」 Polydor Records
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2023/日本 カラー ビスタ /5.1ch/123 分 /G
公式サイト
©2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会
©田島列島/講談社