『水曜日が消えた』『ハケンアニメ!』など次々と斬新な役柄に挑んできた中村倫也主演の映画『宇宙人のあいつ』。主演の中村倫也が、真田家四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた訳アリな宇宙人に挑む!
しっかり者の長女・想乃役を演じるのは伊藤沙莉(『ちょっと思い出しただけ』)、真田家の親代わりの長男・夢二役にはお笑いコンビ「バナナマン」の日村勇紀(『ペット』)、頼りない三男・詩文役の柄本時生『BLUE/ブルー』と、ケミストリーが期待される4人の素晴らしい役者陣が、息の合った4兄妹を披露。
監督・脚本は、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』『ステップ』の飯塚健が手掛け、完全オリジナル作品となります。23年間も、真田家の四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた宇宙人が、地球を離れるまでの残された三日間の中で、人間としてやり残したことに奮闘する物語は《家族になりたかった男》が織りなすエイリアンコメディだ。
家族になりすまして23年―。人間の生態を調査しに土星から来た宇宙人は、
真田家4 兄妹の「次男・日出男」として、長男・夢二、長女・想乃、三男・詩文と暮らしていた。
家族というものがわからない日出男は、夢二から教えてもらう。
「兄ちゃん、家族って何?」
「自分よりも、大切なものがあるってこと。」
家族の様々な問題が起こる中、地球を離れる日が近づいてきてしまう。
残された時間は、あと三日間―。
人間としてやり残したことへの日出男の奮闘が、今始まる!
家族の一人が実は宇宙人だったら!?そんな奇想天外なホームコメディーである。
バナナマン日村勇紀に伊藤沙莉、柄本時生と個性強すぎメンバーの中に主役の宇宙人役、中村倫也が花を添える。物語は中村倫也演じる次男が実は宇宙人で、国(?)である土星に帰らなければならないという初っ端から突っ込みどころ満載な幕開けだ。
舞台は高知県土佐市。海が近く土地が広い、決して都会とは言い難い町並みで4人兄妹が地味ながらも真面目に労働する姿が印象深い。それぞれに悩みや問題を抱えながらも実直に生きる人間臭さが伝わってくる。
主役はあくまで中村倫也演じる次男だが、なんといっても長男演じる日村勇紀の役どころに注目したい。セリフもダントツで多いし、物語を誘導する大事なお兄ちゃんだ。
カッコよくて頭もキレる憧れのお兄ちゃんではないが、家族思いでいざとなった時に頼りになる、まさに理想的な家族の長ではないかと思う。そんな日村勇紀の熱演には地味に癒し効果も感じることができるだろう。
そしてホームドラマに欠かせない朝ごはんシーンも飯塚監督のこだわりのひとつだ。
唯一家族が揃って食べられる朝に「いただきます」と手を合わせ納豆を食べる。さらに真田家では大事な告白もこの朝食の場で行う。そして家族で家族の問題を解決しようと奮闘する。
日出男が時折り使う宇宙人パワーがまさにコメディーで、演じる中村倫也自身も面白がっていたことは間違いない。伊藤沙莉の独特な声でのツッコミも個人的にはツボだった。
土星から送り込まれた日出男の任務「家族とは何か」。
何も考えず観れる作品だが、それは日出男のみならず我々視聴者にもこの映画は教えてくれる。
そしてもう一つの大事な任務とはーー。4人の行方はーー。笑って癒されて考えて。
劇場を出たら面白かったねーと一緒にそれぞれの好きなシーンを語ってもらいたい。