世界中を恐怖のどん底に突き落とした“9歳”のサイコパスの『エスター』。2009年に日本公開し、その巧妙かつ驚きのラストで話題となりカルト的人気を誇る『エスター』の前日譚(エピソードゼロ)を描いた最新作『エスター ファースト・キル』愛らしくも邪悪な“エスター”誕生の秘密が明かされる!
前作『エスター』では、裕福な一家、コールマン家が孤児院からエスターを養子に迎えるところから始まる。彼女は聡明で、画才もあり、家族に喜びを持って受け入れられ、親子として幸せな関係を築いていく…はずだった。彼女の真実を知った時、その結末に世界中が恐怖に飲み込まれ話題となった。日本でも大反響を呼び起こした『エスター』から14 年。エスターはいかにして凶暴性を秘めたサイコパスへと覚醒したのか。本作では、オルブライト家を舞台に彼女の衝撃的な過去が明らかとなる。当時12 歳でエスターを演じたイザベル・ファーマンが25 歳にして子役を再演している。
行方不明だった娘が、4 年ぶりに帰ってきたー
2007 年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。
そんなある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。この奇跡のような出来事を手放しで喜
ぶ一家。また、あの幸せな時が帰ってくるー。
驚くほど成長したエスターは聡明で才能も豊か。画家の父親に昔以上にべったりだった。しかし母親のトリシアは少しずつ気づくのだった。娘が「どこか変だ」ということに・・・。
世界を恐怖に陥れたエスターが”エスター”になった理由。
コールマン家にやって来る以前、彼女の身に何があったのかが明かされる本作は『エスター』の前日譚となる。
2009年製作の前作では当時12歳でエスターを演じたイザベル・ファーマンが25歳でエスター役を再び演じている為、違和感なくこの世界に入り込める事だろう。
4年前に失踪した娘・エスターが保護され、失われた平穏な日常を取り戻したかのようなオルブライト家。
聡明で才能も豊かなエスターは画家である父親とは通じる部分が多いようで、共に暮らし始めた当初は特に何の問題も無いように思えた。
そんな一家での強烈な物語は観る人の精神を逆撫でするような構成で、ある意味チャレンジと捉える事が出来る。
登場人物の考え方や言動は非常にクレイジーだったが、そんな中でもエスターは飛び抜けて性悪。最凶、最悪の詐欺師だ。恐怖というよりは呆れてしまうくらい、共感出来る部分は皆無。
母トリシアというキャラクターがなかなか振り切れている為、彼女とエスターのやりとりは面白く感じられた。
トリシアの行動は人道的ではないものの、彼女なりのルールやポリシーがあり納得出来る部分もある。
後半はエスターよりも彼女の行動の方が気になる程、興味深い人物だった。
劇中、興味を誘った絵画もこの作品の魅力のひとつ。
二面性のある絵が非常にスタイリッシュで、それらを楽しめるエンディングは素晴らしかった。
監督:ウィリアム・ブレント・ベル
脚本:デヴィッド・コッゲシャル
出演:イザベル・ファーマン ジュリア・スタイルズ ロッシフ・サザーランド
マシュー・アーロン・フィンラン
(アメリカ/99 分/R-15/カラー/5.1ch)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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