累計発行部数50万部を突破した池井戸潤による小説『シャイロックの子供たち』(文春文庫)。池井戸が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、原点にして最高峰とも言える原作が満を持して映画化。
今回の映画は小説と展開が異なり、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリー。池井戸潤が太鼓判を押した脚本である映画版「シャイロックの子供たち」に、2018年に大ヒットを記録した「空飛ぶタイヤ」の本木克英監督はじめメインスタッフが再集結。そして主演の阿部サダヲ、上戸彩、玉森裕太をはじめ、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、橋爪功、柄本明、佐々木蔵之介と、日本を代表する超豪華キャスト陣が勢ぞろいした。
舞台は大銀行!裏の顔も、裏の金も全部暴け!
東京第一銀行の小さな支店で起きた、現金紛失事件。
ベテランお客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店の愛理(上戸彩)と田端(玉森裕太)とともに、事件の真相を探る。一見平和に見える支店だが、そこには曲者揃いの銀行員が勢ぞろい。出世コースから外れた支店長・九条(柳葉敏郎)、超パワハラ上司の副支店長・古川(杉本哲太)、エースだが過去の客にたかられている滝野(佐藤隆太)、調査に訪れる嫌われ者の本店検査部・黒田(佐々木蔵之介)。そして一つの真相にたどり着く西木。それはメガバンクにはびこる、とてつもない不祥事の始まりに過ぎなかったー。
テレビドラマ化もされた池井戸潤のベストセラー小説「シャイロックの子供たち」を、阿部サダヲ主演、本木克英監督のメガホンで映画化!
主人公が勤務しているのは東京第一銀行・長原支店。
池井戸潤の大人気シリーズには「半沢直樹」や「花咲舞が黙ってない」があるが、こちらも東京第一銀行が舞台だ。
ベテランお客様係の西木雅博役を阿部サダヲ、同じ支店に勤務する北川愛理役を上戸彩、若手営業マン田端洋司役を玉森裕太がそれぞれ演じるほか、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介ら実力派俳優が顔をそろえておりそれだけで観る前から期待が高まった。
今作は小説版、ドラマ版にはない独自のキャラクターが登場する映画版オリジナルストーリー。
役名こそ同じだが西木の描かれ方も違っているのは、既に内容を知っているという人でも楽しめる作品にしたいという意志を感じる。
「半沢直樹」に通じる演出もまた、ファンには胸熱だろう。
そんな長原支店で発生した現金紛失事件とその裏に隠された更なる事実。
そこで浮き彫りになるのは各自が抱えている問題であり、いくつもの騙し合いが交錯するこれぞ池井戸潤!と言えるノンストップミステリー。
生きる為にお金に振り回される人々の様子がシニカルに描かれていた。
シェイクスピア喜劇として有名な『ヴェニスの商人』に出てくる悪名高い金貸しシャイロック。
そもそもシャイロックは果たして悪党なのか。
未だ答えの出ないこの論争と同じように、登場人物たちがそれぞれの正義と罪にどう向き合うのか注目して欲しい。
主題歌はエレファントカシマシの新曲「yes. I. do」
弱さにあらがい、自分の心に問う。
たとえ真っ直ぐではなくても一歩足を踏み出せば道は開けるのだと、映画同様に勇気を受け取った。