『MONDAYS／このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

作品紹介

新感覚オフィス・タイムループ・ムービー誕生！
次から次へと押し寄せてくる仕事・・・あれ、この仕事、前もやってなかった！？「僕たち、同じ一週間を繰り返しています！」
月曜日の朝。プレゼン資料の準備で忙しい中、後輩２人組からこんな報告があるところから、物語は始まります。もちろん簡単には信じられなかった主人公の吉川朱海（円井わん）ですが、意識を変えるための合図である「鳩」の音に導かれ、タイムループの中に閉じ込められていることを確信するのです。
もちろんこれは映画の中のストーリーフィクション。
ですが、仕事に一生懸命取り組む私たちも、ふとこんな疑問を持つことはありませんか？
「あれ？なんか同じことを繰り返しているような……？」
この発言、前も聞いたような？あの資料、前も作ったような？あの人ずっと同じこと言ってない？ていうか、この議論、何回目！？
お仕事×タイムループという、一見ミスマッチな題材を組み合わせながらも、身近で共感あふれる新感覚オフィス・タイムループ・ムービーが誕生しました。
さて、このタイムループ。上司に気づかせないと、終われません。
そして、主人公が気づく「大切なこと」
このタイムループ脱出の鍵を握るのは、部長の永久（マキタスポーツ）。主人公の朱海は、後輩や他の社員と協力し、部長にタイムループを気づかせる作戦を実行していきます。でも、一体なぜ、部長がタイムループの鍵を握っているのでしょうか……？

ストーリー

月曜日の朝。
バンッ！！
鳩が窓にぶつかる大きな音で、会社に泊まり込んでいた社員全員が目を覚ました。
とある小さな広告代理店で働く主人公・吉川朱海（円井わん）は、「この仕事が終わったら、憧れの人がいる大手広告代理店へ転職する」と燃え上がる野心を持って仕事に取り組んでいた。しかし、次から次に降ってくる仕事で、余裕はゼロ。社員同士の穏やかな会話もなし。プライベートは後回し。月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日。休みなく働き続けていた、ある月曜日の朝のこと。後輩２人組から、こう告げられる。
「僕たち、同じ一週間を繰り返しています！
このタイムループのことを、夢の出来事だと思って忘れないために“意識”を変える合図を覚えてください。“鳩”です…」
翌日、月曜日。
バンッ！！！
鳩が窓にぶつかる大きな音を聞き、朱海はハッとした。
これは……先週と同じ？
オフィス内で起こる、同じ出来事、同じ発言、そして同じ仕事。後輩の言うとおり、同じ１週間を繰り返している…
…。
しかしそのことに気づいているのは、朱海と後輩たちの3人だけのようだ。
月曜日が来るたびに、鳩が窓にぶつかり、朱海たちはタイムループしていた事実を思い出す。どうすればこの繰り返しの１週間から抜けだせるのか、後輩は作戦を立てていた。
タイムループ脱出の鍵を握るのは、永久部長（マキタスポーツ）であること。
その部長に、タイムループしている事実に気づかせなくてはいけないこと……。
鳩の合図をつかって社員の「意識」を変え、全員をタイムループに気づかせていくが、肝心の部長だけはいつまで経っても気づかない！？
「もう仕事なんて放り出してしまいたい」
「繰り返す仕事はうんざりだけど、来週もループしているとは限らないし……」
「これって…、仕事のスキルを身につける、いい機会かも？」
「この仕事、うまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる！」
様々な思惑が交錯するオフィス内タイムループ。そしてまたやってくる、同じ月曜日……。絶望の月曜日を迎える日々を、チームプレイで無事脱出することはできるのか！？

作品レビュー

2022年10月14日の公開後に面白い！と話題となり、観客動員数を週ごとに伸ばすという凄い映画で、タイムループものと聞いて興味を持ち鑑賞する。

タイムループ映画といえば、トム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を思い出す。主人公だけがループをし、繰り返すことでスキルアップし、周囲を巻き込んで完結するタイプの作品と思っていたが、オフィス・タイムループという想像を超えるジャンルの映画に圧倒された。『MONDAYS／このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、とにかく面白くて可笑しくて声を出して笑ってしまう！

主人公の吉川朱海を演じる、円山わんは新進気鋭の女優で演技派である。また舞台や映画、ドラマで幅広く活躍する実力派の俳優たちが、脇を固めている。もう一人の主人公で部長の永久役・マキタスポーツは、その個性と存在感を示している。

舞台は広告代理店。大手から仕事を貰ってプレゼンテーションをする、いわゆる二次請け代理店だ。社員たちは社畜的に残業をし、会社に寝泊まりながら仕事をこなす責任感の強さがある。吉川朱海は、憧れの大手広告代理店に転職をしたい願望を持ち、私生活などは二の次で、自分のプレゼンを成功させるため頑張っている。

１週間の仕事が終わった途端、また同じ月曜日と１週間を繰り返す社員たち。最初にループに気づいたのは、遠藤と村田社員だった。ふたりの努力により、やっと吉川朱海がタイムループに気づき、吉川自身のプレゼンはスキルアップしていくが、結局は月曜日の朝に戻り、ループを何度も繰り返す。

オフィスの社員全員がループに気づき、その原因と疑われる永久部長にループを気づかせるという、社員たちの一大ミッションがスタートしていくのだった。

毎年、季節毎に同じ仕事を繰り返している私には、仕事自体がノルマと化してタイムループしているよう感覚がある。責任感が強く、仕事中毒で余暇と仕事バランスが悪い大半の日本人が、そうなのかもしれない。吉川朱海と社員たちがループによる気づきで変化していく様子が微笑ましい。

あの手この手でループの完結を試みるが、上手くいかず試行錯誤をし、失敗した経験を次に活かしてスキルアップしていくところが、タイムループ映画の醍醐味とも言えるだろう。

2022年秋、SNSで話題沸騰の『MONDAYS／このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』是非、劇場で奇妙ながらも面白いタイムループを体感してほしい。

予告動画

『MONDAYS／このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

キャスト: 円井わんマキタスポーツ
長村航希三河悠冴八木光太郎髙野春樹
島田桃依池田良しゅはまはるみ
監督：竹林亮
脚本：夏生さえり、竹林亮
主題歌：lyrical school「WORLD’S END」（BOOTROCK Inc.）
STORY by TAKE C
企画・製作：CHOCOLATE Inc.
上映時間：82分
配給：PARCO

公式サイト

投稿者プロフィール

佐藤友美: 2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。