集英社「グランドジャンプ」にて絶賛連載中の『ラジエーションハウス』。2019年4月期にフジテレビ系列にて月曜21時枠で放送され、2021年10月期に放送されたシーズン2も、放射線技師という裏方の活躍に焦点をあてた新たな医療エンタテイメントとして人気を博し、劇場版として公開することが決定!!“チームラジハ”の集大成が、映画ならではのスケールで描かれ、日本中を温かな感動と笑顔で包みます。
72時間―。それは、人の生死を分ける時間。
甘春総合病院の放射線技師・五十嵐唯織(窪田正孝)は落ち込んでいた。大好きな甘春杏(本田翼)が、放射線科医としての腕を磨くため、ワシントン医大へ留学することが決まったからだ。
「72時間を切ってしまいました」
お別れまでのカウントダウンを胸に刻む唯織のことを、ラジエーションハウスのメンバーは元気付けようとするが、唯織への秘めた想いを抱える広瀬裕乃(広瀬アリス)だけは、自らの進むべき道について悩んでいた。
そんな中、杏の父親・正一が危篤との連絡が入る。無医島だった離島に渡り小さな診療所で島民を診てきた正一だが、杏が父のもとに着いてほどなく「病気ではなく、人を見る医者になりなさい」との言葉を残し息を引き取る。
生前、父が気に掛けていた患者のことが気になり、島に一日残ることにする杏。
そこに大型台風、土砂崩れ、そして未知の感染症が襲いかかる。
遠く離れた地で杏が孤軍奮闘していることを知った唯織は、大切な仲間を守るため、苦しむ島民を救うため、ある決心をする。
8人の技師たちが選んだ未来とは。
「別れ」の時刻が近づいている―
『グランドジャンプ』(集英社)にて2015年から連載中の原作・横幕智裕、漫画・モリタイシによる人気作品『ラジエーションハウス』
2019年、2021年に“月9ドラマ”として実写化され絶大な人気を博し、今作はそれの劇場版となる。
レントゲンやCTで病変を写し出す放射線技師、そしてそれらの検査画像を読影し病気を診断する放射線科医たち。
劇場版の冒頭で甘春総合病院の放射線技師・五十嵐唯織(窪田正孝)は悩みに悩んでいた。
大好きな甘春杏(本田翼)がワシントン医大へ留学することになった事が悩みの種で、そんな唯織の落ち込みようにラジエーションハウスの面々もなんとか元気づけようと励ましたり発破をかけたりと忙しい。
そんな折、離島で小さな診療所を営む杏の父・正一(佐戸井けん太)が危篤との連絡が入る。
杏が父のもとへ駆けつけてすぐに息を引き取ってしまったが最期に交わした父娘の会話は道標となった。
勿論それはこの物語の序章に過ぎず、交通事故による複数患者への治療、未来ある子供のオペ、離島で発生した大規模な感染症などの難題が一気に押し寄せる。
作中ではトリアージ・タッグにも触れながら、緊急時における迅速な判断の重要性なども学ばせてくれた。
災害発生時等に多数の傷病者が発生した場合に全ての命が大切なのは勿論なのだが、医師としては優先順位を決める必要があるというのはTVだったか別の映画だったかで観た事がある。
それは重症度に応じて適切な処置や搬送を行うためで、頭ではそれを理解していても実際に自分が医療従事者・もしくは負傷者の立場であったならと考えるととてもではないが冷静な判断は下せない。
医療現場で働く方々を改めて尊敬する機会になった。
ドラマで描かれた彼らの活躍により、今まで以上に放射線技師や放射線科医への注目は格段に高まったと言えるだろう。
日々の医療現場で実際に起こり得ることが題材になっている事と、程良い脚色が人気の要因なのは勿論、主役・脇役含めた全体的な演技力の高さが説得力を持たせている。
いくつもの壁が立ち塞がる緊迫感と、恋愛事情だけではない心温まる場面、微笑ましい会話劇が織り混ざる良作だ。
“ひとりで闘う必要なんてない。”
この映画の核になっている部分はまさにそれで、大きな壁を乗り越える時に1人きりで頑張ろうとするのではなく気の置けない誰かと一緒に解決策を見い出すという事が様々な場面で繰り返し描かれているのが印象的だった。
【キャスト・スタッフ】
窪田正孝 本田翼 広瀬アリス 浜野謙太 丸山智己 矢野聖人
鈴木伸之 佐戸井けん太 浅見姫香 山口紗弥加 遠藤憲一
山崎育三郎・若月佑美 渋谷謙人・原日出子・高橋克実・キムラ緑子
八嶋智人・高嶋政宏 浅野和之・和久井映見
原作:「ラジエーションハウス」(原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ 集英社「グランドジャンプ」連載)
脚本:大北はるか(ドラマ『ナイト・ドクター』『好きな人がいること』)
監督:鈴木雅之(『マスカレード・ナイト』『HERO』シリーズ)
公式サイト
上映時間:115分
©2022横幕智裕・モリタイシ/集英社・映画「ラジエーションハウス」製作委員会