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『THE BATMAN-ザ・バットマン-』 作品レビュー

作品紹介

『ジョーカー』の衝撃を超える、狂気と感情が爆発する今世紀最大の謎解きサスペンスアクション! 世界の嘘を暴き、世の中を恐怖で支配する最狂の知能犯リドラー。 そして、暴かれるバットマンの嘘と狂気に変貌していく姿。 ヒーロー映画史上最もスキャンダラスな展開が待ち受ける! あなたはマスクに隠された嘘を見抜けるか?

ストーリー

世界の《嘘》を暴け。本性を見抜け。 優しくもミステリアスな青年ブルース。両親殺害の復讐を誓い、悪と敵対する存在“バットマン”になって2年が過ぎた。 ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。その犯人を名乗るのは、史上最狂の知能犯リドラー。 彼は犯行の際、必ず“なぞなぞ”を残し、警察や世界一優秀な探偵のブルースを挑発する。 最後のメッセージは「次の犠牲者はバットマン」。 彼はいったい何のために犯行を繰り返すのか?そして暴かれる、政府の陰謀とブルースにまつわる過去の悪事や父親の罪…。 すべてを奪おうとするリドラーを前に、ついに彼の良心が狂気に変貌していく―。

作品レビュー

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のマット・リーヴス監督は、主演のロバート・パティンソンが出演するかどうか判らない段階で、ロバート・パティンソン主演をイメージした脚本をあて書きしたという。

大邸宅に住む、世捨て人のロックスターようなブルース・ウェインを演じるなら、彼しかいないと想像していたそうで、パティンソンは見事カメラテストに合格し、バットマン役を射止めた。

ブルース・ウェインとバットマンの二重生活を描いた作品は、「ザ・バットマン」が初めてではない。これまでバットマンを演じた俳優には、マイケル・キートン、ヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー、クリスチャン・ベール、そして最近ではベン・アフレックといった大物俳優が名を連ねてきた。

これらの実写版バットマンは、評価の差はあれど成功を収めている。クリスチャン・ベール主演クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作はいずれも高い評価を受け、「ダークナイト」はアカデミー賞®で2部門を獲得した。

本作で、パティンソン演じる若かりしバットマンは、ゴッサムに自警団的正義をもたらす存在としてバットマン2年目と経験が浅く、市民や警察からの信頼度はまだ低い。


彼は悪名高い連続殺人犯リドラー(ポール・ダノ)に遭遇し、キャットウーマン(ゾーイ・クラヴィッツ)と、彼女の友人を探すため渋々とコンビを組んで捜査することになるが、その過程で自分の両親に関する暗い秘密が明らかになる。

バットマンを影で支える執事アルフレッド役には、モーションアクターの第一人者であるアンディ・サーキスが務めており、ブルース・ウェインの父親代わりとして信頼ある役どころを演じている。

ロバート・パティンソンのイメージを確立したのは、『トワイライト』シリーズだろう。人間とヴァンパイアの禁断ラブストーリと、高貴な甘いルックスで女性ファンを魅了した彼が演じる若いバットマンの、エモーショナルな様子が逆に新鮮だ。キャットウーマンとバットマンの匂わせ恋愛も、女性ファンを意識したように見える。

ゴッサム・シティのヴィランでペンギン・別名オズを演じたのはコリン・ファレルだが、最近のハリウッドで流行っている、劣化オヤジ小太り特殊メイクを施された姿で登場する。
コリン・ファレルの見た目と全くの別人であれば、もうコリン・ファレルではなく、素で小太りオヤジを演じれるキャストで良い気もするが、スピンオフドラマの『ペンギン』製作もあるそうで、今後の活躍が期待できる。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の約3時間という尺は、やはり長すぎるとは思う。バットマンが闇落ち?の前宣伝と印象は異なり、両親が殺された本当の理由や、警察の腐敗や嘘に翻弄されながら、キャットウーマンと共に知能犯リドラーを相手に正義を貫ぬき闘う!というアメコミの王道スタイルを崩さない、アクション・エンターテイメント映画として楽しむことができる。

クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』トリロジー以来、全世界が待ちわびたバットマンだが、ファンはもとより、ロバート・パティンソンのファンに観ていただきたい、新しいザ・バットマンの登場である。

予告動画

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

監督・脚本: マット・リーヴス(『クローバー・フィールド/HAKAISHA』『モールス』『猿の惑星』シリーズ)
共同脚本: ピーター・クレイグ(『ザ・タウン』『ハンガーゲーム』シリーズ『トップガン マーヴェリック』)
キャスト:・ ロバート・パティンソン(『トワイライト』シリーズ『TENET テネット』)
・ゾーイ・クラヴィッツ(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
・ポール・ダノ(『スイス・アーミー・マン』『グランドフィナーレ』『それでも夜は明ける』)
・コリン・ファレル(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『ロスト・マネー偽りの報酬』)
上映時間:  2時間 56分
オフィシャルサイト

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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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