大怪獣の死体の“あとしまつ”を命じられ、誰も経験したことのない難題に挑む特務隊員・帯刀アラタを演じるのは、話題作への出演が相次ぎ、俳優としての存在感を益々高めている山田涼介。
そんなアラタを見守る環境大臣秘書官・雨音ユキノを土屋太鳳、総理秘書官として暗躍する雨音正彦を濱田岳、元・特務隊で爆破のプロであるブルース(本名:青島涼)をオダギリジョー、そして国家をも揺るがす未曽有の事態の対応に追われる内閣総理大臣・西大立目完に西田敏行など、名実ともに日本を代表する豪華キャストが集結した。
人類を恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。――この死体、どうする?――
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。爆発すれば国家崩壊。終焉へのカウントダウンは始まった。絶望的な時間との闘いの中、国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、警察でも軍でもなく、3年前に突然姿を消した過去をもつ1人の男…。彼に託された<使命>とは一体? 果たして、爆発を阻止することができるのか―!?前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る空想特撮エンターテイメントが、今、動き出す。
日本中を恐怖に陥れた巨大怪獣が突然死んだ。
皆が安堵したのも束の間、問題はその死体をどうするか。
この着眼点が斬新で非常に興味深い上に、大手映画会社の松竹と東映が史上初のタッグを組んだということで実はかなり前から公開を楽しみに待っていた作品である。
オープニングに流れる松竹と東映(”荒磯に波”)の会社ロゴ映像を目にした時には胸が熱くなった。
未だかつて人類が体験した事のない大怪獣の後始末を一体どこの省が担当するのか。解体するのか保存するのか。そもそも死体には危険がないのか。
様々な考察と模索をしながら諸外国やマスコミの対応をする首相と閣僚の面々は、首相直轄組織である特務隊の青年にそれを託した。
特務隊の青年・帯刀アラタを山田涼介が、そしてかつてはアラタと特務隊で同僚だった環境大臣秘書・雨音ユキノを土屋太鳳、ユキノの夫で総理秘書官である正彦を濱田岳が演じる。
国民の運命をかけた死体処理はどのような形で終結するのか。
いくらでもシリアスに出来た話をあえて特撮コメディー映画に仕上げた事には驚いたが、それ自体は悪くない。
Hondaのバイク「NM4-01」をベースにデザインされたという特務隊のバイクに颯爽と跨る山田涼介の男らしい姿、迷惑系動画クリエイターを演じた染谷将太のインパクト、環境大臣役ふせえりや元特務隊役のオダギリジョーの熱演のほか、『平成ゴジラ』シリーズなどで数々の怪獣造形を製作してきた造形技師・若狭新一の本気度が窺える怪獣の造形物は圧巻の一言に尽きる。
正直なところ、下ネタ的な笑いと度々挟み込まれる恋愛事情は無くても良かったような気がしてしまいそこは少し残念に思った。
本編の感想とは離れるが、松竹×東映のタッグ作をまた観たい。心からそう願っている。
監督・ 脚本 : 三木 聡
出演:山田 涼介 土屋太鳳
濱田岳
眞島秀和 ふせえり
六角精児
矢柴俊博 有薗芳記 SUMIRE 笠兼三 MEGUMI
岩松了
田中要次 銀粉蝶 嶋田久作 笹野高史
オダギリジョー
西田敏行
怪獣 造形:若狭 新一( 『 平成ゴジラ 』 シリーズ)
企画・ 配給 松竹 東映
上映時間: 116分
公式HP
© 2022 「大怪獣のあとしまつ」製作委員会