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佐藤健&阿部寛『護られなかった者たちへ』 作品レビュー

作品紹介

「このミステリーがすごい!」受賞作家・中山七里の傑作小説を映画化した『護られなかった者たちへ』。
全身を縛られたまま“餓死”させられるという不可解な連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根という男。刑事の笘篠は利根を追い詰めていくが、決定的な確証がつかめないまま、第三の事件が起きようとしていた―。なぜ、このような無残な殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか?さまざまな想いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく―

容疑者・利根を演じるのは、その圧倒的な存在感と演技力で観る者を魅了し続ける佐藤健。彼を追う刑事・笘篠役には、幅広い演技で日本映画界を牽引する阿部寛。そのほか、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でも注目を集める清原果耶をはじめ、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人と、豪華実力派キャストが顔を揃えた。監督は、『64- ロクヨン – 前編/後編』など力強く且つ緻密な人物描写で知られ、佐藤健とは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』以来のタッグとなる瀬々敬久。脚本は『永遠の0』の林民夫、音楽は『思い出のマーニー』の村松崇継が担当。この秋、豪華キャスト・スタッフにより、日本中を衝撃と感動で包み込む、第一級のヒューマン・ミステリーが誕生する。

ストーリー

東日本大震災から10年目の仙台で、全身を縛られたまま放置され“餓死”させられるという不可解な殺人事件が相次いで発生。被害者はいずれも、誰もが慕う人格者だった。
捜査線上に浮かび上がったのは、別の事件で服役し、刑期を終え出所したばかりの利根(佐藤健)という男。
刑事の笘篠(阿部寛)は、殺された2人の被害者から共通項を見つけ出し利根を追い詰めていくが、決定的な証拠がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた――なぜ、このような無残な殺し方をしたのか? 利根の過去に何があったのか?

作品レビュー

10年⽬の殺⼈。

罪を犯してまで、護りたかったものとは。

あまりにも切なく、やるせない復讐の物語ー

東日本大震災から10年が経った宮城・仙台で起こった連続殺人事件。

全身を縛られたまま餓死させられるというその方法は残酷極まりない。

一体誰がどれ程の恨みを持って及んだ犯行なのか。捜査に臨んだ警察は、善人だとか人格者と言われていた被害者の過去を知る事になる。

“護られなかった者”

この言葉が意味する不幸は決して目を背けてはいけない出来事であり、それでいて今尚放置され続けている問題なのではないだろうか。

助けを求める人を救うはずの最後の砦は、本当に困窮している全ての弱者を護る事は出来ず、一方で本来その必要のない堕落した者がずる賢くその恩恵を受ける事もある。

生活保護に限らず様々な支援時に問題視される不正受給と、それにより厳しくせざるを得なくなる利用者の規約。

受給を希望する人に対して真摯に対応し誠意を持って働いている担当者の苦労は計り知れないが、この映画では決して善人だけではない取り上げ方がされていた。

原作は、ベストセラー作家・中山七里による同名のミステリー小説。

佐藤健と瀬々敬久監督が再びコンビを組み、他にも監督ならではのメンバーが大勢出演している。

登場人物それぞれの思考が少し極端すぎるところは気になるが、本来もっと問題視されても良いはずの理不尽な出来事に目を向けさせてくれるきっかけになる事を願う。

予告動画

『護られなかった者たちへ』

監督:瀬々敬久
脚本:林民夫 瀬々敬久
音楽:村松崇継
原作:中山七里「護られなかった者たちへ」(NHK出版刊)
出演:佐藤健 阿部寛 清原果耶 倍賞美津子 吉岡秀隆 林遣都 永山瑛太 緒形直人
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
上映時間:134分
公式サイト
©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

 

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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