「未熟な漫画家」菅田将暉×「美しき異常者」Fukase(SEKAI NO OWARI)
相まみえるはずのない「二人」が出会い、事件となる ーー
10年の歳月をかけ構想してきた完全オリジナルストーリー
誰も見たことのない、ダークエンターテインメントを体験せよ!!
【もしも、売れない漫画家が殺人犯の顔を見てしまったら?
しかも、その顔を“キャラクター”化して漫画を描いて売れてしまったとしたら??】
そんなアイデアを基軸に、登場人物(キャラクター)それぞれが幾重にも交錯する物語を描いたダークエンターテインメント・映画『キャラクター』。「20世紀少年」「MASTERキートン」を始め、浦沢直樹作品を数多く手掛けてきたストーリー共同制作者・長崎尚志が10年の歳月をかけて、練りに練り上げた企画がついに実写映画としてそのベールを脱ぎます。
漫画家として売れることを夢見る主人公・山城圭吾(菅田将暉)。高い画力があるにも関わらず、お人好しすぎる性格ゆえにリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日、師匠の依頼で「誰が見ても幸せそうな家」のスケッチに出かける山城。住宅街の中に不思議な魅力を感じる一軒家を見つけ、ふとしたことから中に足を踏み入れてしまう。そこで彼が目にしたのは、見るも無残な姿になり果てた4人家族……そして、彼らの前に佇む一人の男。
事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに対して「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。
交わってはいけない二人。
相まみえるはずのない「二人」が出会い、事件となるー
「20世紀少年」など数多くの浦沢直樹作品にストーリー共同制作者として携わってきた長崎尚志が構想に10年を費やしたという練りに練られた完全オリジナルストーリーは実に見事な仕上がりで、映画が始まってほんの数分でこの物語に心を奪われてしまった。
主人公である売れない漫画家・山城圭吾(菅田将暉)が、その道を諦め長年アシスタントを務めてきた師匠のもとを去る決意をしたその日に最後の仕事として引き受けた「誰が見ても幸せそうな家」の深夜のスケッチ。
これが思わぬきっかけとなるのだが、その描写が非常に猟奇的で印象深い。
心優しく繊細な青年がこの事件を目の当たりにした事はトラウマ級の衝撃的な出来事ではあったが、漫画家としての彼にとっては最大の転機にもなった。
人を殺した人の目・殺人者から滲み出る悪意・惨状となった場所の持つ異様な雰囲気。
それらをリアルに体感した事は、表現者にとっては大いに刺激となったというわけだ。
そんな山城圭吾が描いたサスペンス漫画「34(サンジュウシ)」は大ヒット作となるが、それには間違いなくあの事件の日に見たものが影響している。
殺人鬼―漫画家―警察。
徐々に変わっていく彼らの関係性が、山城の中での善悪の判断の上で重要なポイントとなっていた。
ミステリーやサスペンス好きならばいくつかの伏線にはすぐに気付くと思うが、物語中盤の意表をついたある出来事はなかなか意外性があり面白さを一気に加速させてくれた。
演技派俳優としてまず真っ先に名前が挙がる菅田将暉を筆頭に、小栗旬・中村獅童・高畑充希などの豪華俳優陣が集結した事でもう既に期待値の高い作品となるが、本作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIのVo.Fukaseが殺人鬼である両角を演じるという事も大きく話題となっている。
クライマックスでのアクションなど、二人がぶつかり合うその鬼気迫る演技は圧巻だった。
「帝一の國」の永井聡監督のメガホンにより映画化した事もあってか、山城が従事する大御所漫画家・本庄勇人の描く劇中漫画として古屋兎丸先生の絵が拝めるのもファンとしては嬉しい。
又、山城の描く「34」は江野スミが務めている。
編集部のシーンは小学館の編集部を、書店のシーンは営業終了後の青山ブックセンターを実際に借りて撮影したという事でリアリティも十分。
ここ数年、漫画でもダークなものがヒットする傾向にあるのでもしも「34」が連載されたら…と思わず考えてしまった。
キャスト: 菅田将暉、 Fukase(SEKAI NO OWARI)、 高畑充希 、中村獅童 、小栗旬
原案・脚本:長崎尚志
監督:永井聡
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