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43年越しに再会した2人の奇跡「43年後のアイ・ラヴ・ユー」 作品レビュー

作品紹介

人生最大の“嘘”が、2人にある“奇跡”を起こす!一歩踏み出せば、人生はいつでも輝き出す。43年後にはじまる、最高のラブストーリー。主演を務めるのは、アルフレッド・ヒッチコック、フランシス・フォード・コッポラ、クエンティン・タランティーノなど数々の巨匠監督に愛されてきたハリウッドの名優、ブルース・ダーン。本作は第66回カンヌ国際映画祭主演男優賞を史上最年長で受賞、第86回アカデミー賞&第71回ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にダブルノミネートされた『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(13)以来の主演作となる。
43年越しに再会した2人の日常に奇跡を起こすのは、若かりし頃の輝かしい想い出たちだった。デートを重ねたニューヨークとパリ、優しいガーシュインの音色、甘いユリの花の香り、そして―シェイクスピアの“冬物語”。時代を超えてつながる愛を描く、最高のラブストーリーが誕生した。

ストーリー

70歳のクロードは妻を亡くし、LA郊外に一人で住む元演劇評論家。親友のシェーンと老後を謳歌していた。ある日、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーを患わせて施設に入った事を知る。もう一度リリィに会いたいと願ったクロードは、アルツハイマーの《フリ》をしてリリィと同じ施設に入居するという一世一代の《嘘》を思いつく。

シェーンの協力のもと、遂にリリィと念願の再会を果たしたクロード。だがリリィの記憶からクロードは完全に消し去られていた―。そんなリリィに、クロードは毎日のように二人の想い出を語りかけるのだった。ある日、昔リリィが演じたシェイクスピアの「冬物語」を施設で観る事になり、クロードは孫娘と一緒にある作戦を実行する。

作品レビュー

43年前に思いを寄せたかつての恋人・リリィがアルツハイマーで記憶を失くしてしまい、施設で暮らしていることを知る主人公のクロード。ならば自分もアルツハイマーのフリをし家族も騙し親友の協力を元に、彼女の記憶を取り戻し、さらに愛の告白をしようとトライする70歳男性の奮闘記である。

現代の医学で認知症は治らないとされているので、物語自体はファンタジー要素が強いが、ある程度の財産を築き優雅な老後を送っていたクロードが、金に糸目を付けず自身を認知症と計画的に装い、リリィを覚醒させるべく健気にそして優雅に彼女をエスコートする。

70歳にもなると怖いものも無いのか、クロードの行動はかなり大胆で本人に恥ずかしさや緊張感は無いため、グイグイとリリィを自分のペースに引き込んでいく。演劇評論家として成功した経験を持つクロード。自分に自信のある大人の余裕を感じる。

若かりし頃のリリィとの恋愛やデートシーンをクロードの回想に入れる映画の手法もなかなか巧みで、自然とクロードを応援したくなる。

認知症になったら人生はお終い。そう思う方も多いだろう。そんな医学的なエビデンスは横に置いておこう。クロードの見返りを求めない献身的な愛はリリィにどう伝わるのだろうか?

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』で軽い認知症の父親役を演じたブルース・ダーンが、主人公のクロード役を演じている。彼は認知症に縁のある俳優なのかもしれない。認知症という重苦しいテーマを晴れやかにする大人ラブコメ、この新年にいかがでしょう。

予告動画

「43年後のアイ・ラヴ・ユー」

監督・脚本:マーティン・ロセテ『カネと詐欺師と男と女』
出演:ブルース・ダーン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』、カロリーヌ・シロル『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』、ブライアン・コックス「メディア王~華麗なる一族~」シリーズ
2019年/スペイン・アメリカ・フランス/英語/89分/スコープ/カラー/5.1ch/日本語字幕:星加久実/原題:Remember Me

配給:松竹
公式サイト

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投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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