視力を失くした女と、夢を失った男。運命に翻弄される2人の、痛いほどの純愛―。本作でW主演を務めるのは、華やかな存在感と数々の賞に輝く確かな演技力で、今や日本のトップに立つ女優、吉高由里子と、2020年のエランドール賞や日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、エンタメ界に嵐を巻き起こしている横浜流星。恋愛映画の旗手・三木孝浩監督のもと、吉高は目が不自由という難役に、横浜は世界大会で優勝したこともある空手経験を活かした天才キックボクサー役に挑む。主題歌を担当するのは、世界で活躍しているBTS。映画の主題歌は初めてとなり、完全書下ろしの歌詞と美しくも切ないメロディーが映画の世界観を彩っていく。究極の愛の末に、2人が選んだ結末とは――。いま観客から最も観たいと切望される2人の、あまりに切ない純愛ラブストーリーが誕生した。
目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのない幸せを手にした――かに見えた。ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてきたと言う明香里。だが、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていた――。
因果応報。
過去や前世の行為の善悪に応じて現在の幸・不幸の果報があるというこの言葉は、仏教用語が由来とされているが現代でも割とポピュラーに使用されている。
罪を犯した者は幸せになる事は出来ないのか、幸せになってはいけないのか。
必ずしも答えはひとつではないと思うが因果応報について考えを巡らせてしまった。
不慮の事故で視力と家族を失った明香里。
1人暮らしをしながら過ごしていた明香里は、時には仕事先で辛い事もあるがいつも明るい。
週に1度職場からの帰り道にあるパーキングに立ち寄り管理人のおじさんとドラマを観るのは彼女の楽しみのひとつだ。
ある日の明香里もいつものようにそこを訪れ管理人のおじさんに話しかけてみたものの反応がいつもと違う。においも違う。
管理人は篠崎塁という男性に変わっていて、仲良くしていたおじさんはいつの間にか辞めていたらしい。
それからも継続して足を運び時折塁に解説して貰いながら2人でドラマを観るのだが、その姿は微笑ましく平和な光景だ。
ドラマの放送時間が近付くと落ち着かない様子になる塁もかわいい。明香里の到着を待っているのだ。
屈託なくケラケラと笑う明香里は、演じている吉高由里子の可愛らしさも相まってとても魅力的である。
人に言えない過去のあるワケあり男性・塁を演じるのは今をときめく横浜流星。
演技派である吉高由里子に引っ張られてではあるが、心を閉ざしながらも徐々に本来の素直さを現しそれでもやはり何か隠している事があるという塁の気持ちの変化をうまく表現していた。
そのときどきで纏う雰囲気の違う塁。
かつては将来を有望視されたキックボクサーだったという塁になり切る為に1カ月で10キロ程の増量をしたという役作りにも感心してしまう。
短期間での減量よりも増量の方が辛いという話を聞いた事があるが、それが筋肉を増やす為の増量となると尚更だろう。
しなやかで無駄がなく強そうなあの身体が彼の努力により作られたものだと知ると、練習や試合の場面を観る際に一層気合いが入った。
イケメンで少し影があって強くて優しいだなんてモテる要素しかないのだが、恋のライバルが出現して一悶着…という類のラブストーリーでは無い。
出てくるのは小悪魔系女子でもしたたか計算系女子でもなく、いかにも悪そうな昔馴染みや鉄人級格闘家だ。
執拗なまでに追い込むその様子からみるとある意味で昔馴染みの彼も塁に強烈に惹かれているのかもしれないが、人の幸せを喜べない残念な人間だった。
消せない過去や闇に飲み込まれそうな程の苦しみを抱え、いくつもの困難やすれ違いが巻き起こる『きみの瞳が問いかけている』。
韓国映画「ただ君だけ」を恋愛映画の旗手・三木孝浩監督がリメイクし、運命的に繋がった2人が後悔の先でどう生きていくのかが描かれている作品となっていた。
監督:三木孝浩
出演:吉高由里子 横浜流星
やべきょうすけ 田山涼成 野間口徹 岡田義徳/町田啓太/風吹ジュン
主題歌: BTS「Your eyes tell」
2020年/日本/123分/カラー/ビスタ/7.1ch 5.1ch
配給:ギャガ
©2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
©2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment, Inc.