この青春には、嘘がある。
「君の膵臓をたべたい」で社会現象を巻き起こした作家・住野よるが最高傑作と語る衝撃作が遂に完全映画化。
誰も見たことのない驚愕の青春サスペンス。
デビュー作「君の膵臓をたべたい」が2016年に出版されるやいなや、累計300万部を突破し、一躍ベストセラー作家となった住野よる。2017年には、同作が浜辺美波と北村匠海のW主演で映画化され、興行収入35.2億円の大ヒットを記録。若者を中心に、「キミスイ」ブームを巻き起こしました。そんな住野よるの第5作目となる「青くて痛くて脆い」は、住野自身が発売当時のインタビューで“今まで出した本の中で一番自信がある最高傑作”と述べるほどの意欲作となり、2018年「二十歳が一番読んだ小説」にも輝きベストセラーに。今、若者に最も人気のある作家・住野よるの名著『青くて痛くて脆い』がついに、この2020年夏、実写映画化します。「大切な仲間」と「居場所」を奪われた大学生の青年が、嘘と悪意にまみれながら復讐していく、青春のまさに青さと痛さと脆さを描いた青春サスペンスが誕生。
今、最も旬で、一癖も二癖もある俳優陣が、想像を超えた危険な芝居で、青春サスペンスを盛り上げる!!あなたは、この青春の“嘘”を見破れるか!?誰も見たことのない青春の驚愕サスペンス。
この青春には、“嘘”がある
人付き合いが苦手な大学生・田端楓と空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃。
ひとりぼっち同士の2人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル【モアイ】を作るが秋好は“この世界”から、いなくなってしまった…。
秋好の存在亡き後モアイは社会人とのコネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系就活サークルに成り下がってしまう。
取り残されてしまった楓の怒り、憎しみ、すべての歪んだ感情が暴走していく……。
あいつらをぶっ潰す。モアイをぶっ壊す。どんな手を使ってでも……。
楓は、秋好が叶えたかった夢を取り戻すために親友や後輩と手を組み【モアイ奪還計画】を企む。
青春最後の革命が、いま始まる―。
主人公の大学生・田端楓。
楓の心の闇を絶妙なバランスで吉沢亮が演じ、彼の悲しげな表情に引き込まれていく。吉沢亮が演じる楓は寂しくて愛おしくて魅力ある男子。対する秋好寿乃は理想を目指すあまり、空気の読めない発言と行動で周囲から浮く不思議ちゃん系の女子大生を、杉咲花が演じでいる。
コミュ障の楓と変わり者の秋好、ひとりぼっち同士だったふたりは、磁石のように互いの人間的な魅力に惹かれ、ふたりは秘密結社『モアイ』を結成するが、次第にその関係に変化が芽生える。
前半から中盤までは、楓と秋好の出会いと楽しい思い出、ふたりで結成したモアイでの回想シーン。彼らの恋愛感情が掴めないが、楓は秋好に片思いしているように見える。しかし秋好は突然楓の前から消えてしまう。
秋好の行方と詳細は判らないままに、目的と方向性を変えた意識高い系の就活サークル・モアイを潰す計画を立てる楓。劇中で楓の気持ちに振り回される。中盤から驚愕の真実を知った時「青くて痛くて脆い」タイトルの意味が理解できる。
人は皆誰かを好きになり、価値観の違いから別れたり裏切られることもあるだろう。辛い恋の相手を忘れて、また違う誰かを好きになる。青春時代の青さや浅はかさを振り返ると、自己中心的な価値観が痛くて、その視野は狭く脆くて危うい。誰もが経験する人間関係の葛藤は不思議な共感を得る。
完璧なイケメンの吉沢亮が演じる、地味で普通な楓にグッと気持ちを掴まれる。楓のネガティブな心と、モラルを超えたことで事件が起こる青春サスペンスだが、実際に自分の周囲にも存在する、嘘と誤解、悪意や妬みという心の内面を捉え、中盤から物語の構図が変わりさらに面白さが加速する。
ラストは不思議と心に後残りし、彼らのその後が気になってしまう。吉沢亮と杉咲花の激しい掛け合いと長台詞は、瞬きを忘れるほど見応えがある。青春を忘れてしまった大人にもお勧めしたい、過去の甘くて苦い気持ちが胸の中に広がるような映画である。
【キャスト・スタッフ】
吉沢 亮 杉咲 花
岡山天音 松本穂香 清水尋也 森 七菜 茅島みずき 光石 研 柄本 佑
原作:住野よる「青くて痛くて脆い」(角川文庫刊)
監督:狩山俊輔
脚本:杉原憲明
上映時間:118分
配給: 東宝
(C)2020映画「青くて痛くて脆い」製作委員会