運命で結ばれた二人の30年を3月だけで紡ぐ、激動のラブストーリー
『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』『同期のサクラ』など、数々の大ヒットドラマを生み出してきた稀代の脚本家・遊川和彦が今作で描くのは運命で結ばれた<二人の30年>を<3月だけ>で紡ぐ、激動のラブストーリー。
主人公の女性・結城弥生(ゆうきやよい)を演じるのは波瑠。
数多くのドラマ・映画で驚きと感動を届け、国民的女優となった波瑠が、正しいことに真っすぐ突き進み、強い信念を持つ女性を演じます。もう一人の主人公・山田太郎(やまだたろう)、通称サンタを演じるのは成田凌。第41回日本アカデミー賞(2019年)で新人俳優賞を受賞し、いま最もスケジュールが取れない大注目俳優が、周りに流される弱さを抱えつつも、大切な人・弥生を人生かけて支えていく男性を演じます。そして、若くして命を落とす2人の親友・サクラ役に、2020年のNHK朝ドラヒロイン・杉咲花。
更には「中学聖日記」(2018年)で衝撃的なデビューを果たした、岡田健史が満を持して映画初出演。小澤征悦、黒木瞳といった実力派俳優陣も脇を固め、物語に更なる成熟と深みを与えてくれます。
昭和、平成、令和と時代を跨ぎ、運命に翻弄されながら、それでも運命を信じた二人の激動の30年に、この春、きっと涙しますー。
1986年3月1日。運命的に出会った弥生(波瑠)と太郎(成田凌)。
「もし、40過ぎても独身だったら、俺が結婚してやるよ!」
互いに惹かれ合いながらも、親友・サクラ(杉咲花)を病気で亡くした事で
想いを伝えられずに、別々の人生を選んだ二人。
子供の頃に描いた夢に挑み、結婚相手を見付け子供が産まれ…。
しかし人生は順風満帆では無く、離婚を経験し、災害に巻き込まれ、配偶者を無くし、あの時、抱いていた夢は断たれてしまう。
希望を見失い、人生のどん底に突き落とされていた時
30年の年月を超えて、亡き友・サクラからのメッセージが届くー。
タイトルにあるとおり、30年に渡る色んな3月の物語。主な舞台は仙台である。
監督は数々のヒットドラマを生み出している遊川和彦。最近では「同期のサクラ」が記憶に新しい。「桜」に込めた強い思いを感じ取ることができるが、主人公の強い信念や真っ直ぐな正義感も共通項の一つとして捉えることができるだろう。
今回そんな主人公弥生を演じるのは国民的女優として活躍し続けている波瑠。そして弥生の運命の相手サンタこと山田太郎を演じるのは成田凌。年間に出演している本数を考えても彼が今の日本映画に欠かせない存在となっていることは確かだ。
2人の親友サクラ役には杉咲花。高校卒業を目前に病気で命を落としてしまう薄命の少女だ。サンタが好きだったサクラだが弥生とサンタが両想いであることに気付いており、そして自分の命が長くないことも悟っていたため、弥生にいくら煽られてもサンタに告白できず終わってしまう。聡明で、ある意味天使のような存在だ。出演時間は短いが今後の2人に大きな影響をもたらすため強い存在感を放っている。
高校生の頃の弥生とサンタは夢や希望に溢れていたが、親の借金やケガ、離婚に災害、死別と様々な挫折を味わうことになる。確かに人生は甘くない。にしてもここまでの不幸があるだろうかと目を覆いたくなる。そんな中で2人が思い出すのはサクラの「いつまでも変わらないで」という言葉。変わりたくないが変わらずにいられない状況が何度も訪れる。それは遺言というよりも呪縛のように2人の心を苛む。だが人生を見失いかけた頃、再びサクラの声で希望を見出し何かを取り戻そうと歩み始める。
冒頭に記したように色んな3月が訪れるのだが、それが直接テロップにするのではなく新聞だったり携帯だったり黒板だったりと表現する技法が面白い。そしてまるで日めくりカレンダーのようにシーンが切り替わり日々過ぎていることがわかる。ここに脚本家ならではの監督の拘りを感じることができるだろう。
サンタが成長した息子あゆむに「何事もタイミングが大事だ」と諭すシーンがある。タイミングを逃し続けてきたサンタだからこその言葉の重みを感じるが、諦めなければチャンスが再び訪れることも映画を見てると理解できる。
誰もが何かしら響くセリフがひとつはあるはず。それが脚本家・遊川和彦監督のマジックだろう。
キャスト :波瑠 成田凌 杉咲花 岡田健史 小澤征悦/黒木瞳
脚本・監督:遊川和彦
上映時間: 110分
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