英国推理作家協会賞受賞のベストセラー小説を『ジョン・ウィック』のプロデューサーが映画化!
FBI・麻薬組織・NY市警・刑務所の看守…全ての組織から命を狙われた情報屋は“全てを出し抜く一瞬の死角”があることに気が付いたー。
瞬きすら許さない究極の脱出劇を描いた緊迫のクライム・サスペンスが誕生!
自由の身と引き換えに、FBIの情報屋になったピートは、最後の任務としてマフィアに潜入し、刑務所内での麻薬組織作りに着手する。FBIの裏工作で競合組織を壊滅させたピートだったが、NY市警の横やりにより彼らに裏切られ、全ての組織から命を狙われる絶体絶命に陥る。果たしてピートはFBI、マフィア、NY市警、囚人たち全てを出し抜き脱出することができるのかーー。
過去にも警察等が潜入捜査をする映画やドラマはあったが、どれもラストはハッピーエンドとは言い難い。本作も例に漏れず、といったところで最初から最後まで暗い。
主人公ビート・コズローはFBIの情報屋になり最後の任務を終え家族と共にようやく穏やかに過ごせるはずだった。が、思わぬ事態に遭遇し失敗してしまう。すると手のひらを返すようにFBIは彼を見捨ててしまう。彼を裏切ったFBIとマフィアのボスに加え、ひょんな恨みを買ってしまったNY市警を敵に回しコズローは家族の元に戻れるのかーー。
止む無く刑務所に舞い戻り一発逆転を狙うコズローからが見どころである。
まずコズローが気の毒過ぎる。潜入捜査は人間不信になってもおかしくない状況下に置かれるがまさにその通りで生きた心地がしないだろう。そしてやはりというべきか裏切られる。
コズローが厳しい環境の中でも諦めなかったのは愛する家族のおかげだった。
何としても妻と幼い娘の元に戻りたい、家族と幸せに暮らしたいというコズローの想いは妻も同様だった。この家族の愛こそが救いである。ここで妻も愛想を尽かすようであればコズローは生きる価値を見出せず自殺行為に及んでいただろうがそこまで本作は悪ではない。
コズローが刑務所の中で殺されかけるシーンがあるのだがそこが迫真の演技である。コズロー役のジョエル・キナマンはイケメンだがこのシーンではイケメンも台無しだ。
コズローの家族への愛、夫をいつまでも信じて待つ妻の愛こそが全ての作品である。
原題・英題
THE INFORMER
出演:ジョエル・キナマン、ロザムンド・パイク、コモン、アナ・デ・アルマス、クライヴ・オーウェン
監督:アンドレア・ディ・ステファノ
原作:「三秒間の死角上/下」(角川文庫刊)
配給:ショウゲート
2019/カラー/5.1ch/イギリス・アメリカ・カナダ/スコープ/113分
公式サイト
(c)Wild Wag films Productions 2018