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討ち入りにも予算が掛かる⁉『決算!忠臣蔵』作品レビュー

 

作品紹介

誰もが知る「忠臣蔵」の、誰にも言えない「お金」の話 
討ち入りは・・・超、お金がかかる!

大石内蔵助が実際に書き残した決算書を基に、討ち入り計画の実像をお金の面から紐解いた話題作『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書刊)を、
『忍びの国』『殿、利息でござる!』の中村義洋監督が映画化。
大石内蔵助には押しも押されもせぬ名優・堤真一。そして、内蔵助を支える貧乏なそろばん侍・矢頭長助を、時代劇初挑戦の岡村隆史(ナインティナイン)が演じ、W主演を務めます。
さらに濱田岳、横山裕、妻夫木聡、石原さとみ、荒川良々、竹内涼子、阿部サダヲ・・・と、
日本を代表する豪華俳優陣が大集結!
果たして彼らは【予算内】で、一大プロジェクト【仇討】を、無事に【決算】することができるのか!?
笑って泣ける予算達成エンタテインメント!

ストーリー

今から約300年前。江戸城・松の廊下。
赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は、かねてより賄賂まみれだった吉良上野介に斬りかかります。通常であれば喧嘩両成敗となるはずが、幕府が下した結論は、赤穂藩のお取り潰しと、内匠頭の即日切腹。吉良へはお咎めなし。突然藩主を亡くしたことで、
浅野家は断絶、藩士たちは路頭に迷います。

筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は、嘆く暇もなく、浅野家復活を願い出て、ひたすら残務整理に励む日々。
しかし、御家再興にも当然、お金が必要。
内蔵助は、幼馴染の勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借りて、亡き内匠頭の妻・瑤泉院(石原さとみ)の化粧料(嫁入りの時の持参金)をかき集めます。
その金額は、およそ 800両(9500万)!

しかし、金の使い道がわからない内蔵助は、長助らの助言も聞かず、行き当たりばったりの大盤振る舞い。金はどんどん減っていきます。
一方、浪人となった藩士たちは、宿敵・吉良への仇討ちを勝手に計画。加えて、江戸の庶民たちまでもが、赤穂浪士たちによる仇討ちを超熱望!
やがて、大金をはたいた甲斐もなく、御家再興は幕府の決定であっさり却下。
「なんでやねん!」
ようやく討ち入りを決意したものの、もはや予算残高は、微々たるものに……。

討ち入るのか討ち入らないのか、迷っているうちにも予算はさらに減っていく。前線基地として購入した屋敷も火事で全焼。
浪士たちの日々の生活費や食費に家賃、江戸までの旅費、武器の購入等々、お金は出ていくばかりで、プロジェクトは超難航! 
挙げ句の果てには、やる気満々の浪士たちのリストラも余儀なくされる始末。一方、自分の金を勝手に使われている瑤泉院の怒りも
エキサイトして……。

果たして彼らは【予算内】で、一大プロジェクト【仇討】を、無事に【決算】することができるのか!?

作品レビュー

忠臣蔵とはー
元禄14年3月14日。
江戸城で人傷騒ぎを起こした責任で切腹させられた赤穂藩君主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の敵討ちをするため、47人の藩士達が宿敵・吉良上野介に仇討する「武士の美談」とも言える物語である。

仁義を通したこの仇討は非常に人気が高く、現在までに数多くの映画や書籍が残されている。
『決算!忠臣蔵』はそんな「忠臣蔵」を題材にしつつも、お家再興(のつもりが結果的には仇討)の為に必死に予算組みをする懐事情にスポットを当てるという新たな切り口で赤穂浪士たちと彼等を率いた大石内蔵助の苦労を描いた時代劇だ。

堤真一と岡村隆史がダブル主演。
堤真一演じる筆頭家老・大石内蔵助を岡村隆史(ナインティナイン)演じる矢頭長助が支える。
この時点でコメディ色が強そうな印象だったのだが、寧ろ2人のシーンはこの映画の中での数少ないシリアスな部分を担っている。
クライマックスも、討ち入りの時そのものではなく大石内蔵助と矢頭長助のシーンだろう。

突如として藩主を亡くした赤穂藩士たちを大石内蔵助がしっかりとまとめあげる…わけではないのがこの映画。
頼れる勘定方であり竹馬の友でもある矢頭長助の力無くしては、ただの女好きで決断力に欠ける恥ずかしい侍で終わってしまったかもしれないと思えた。
夫を想うしっかり者の妻・理玖(竹内結子)の存在も大きい。
強くて美しく、そして結構手厳しい理玖が時折見せる可愛らしい一面が魅力的だった。
又、赤穂浪士自体も個性豊か。
もともとは藩から暇を出されて浪人となっていながらも、人一倍の忠誠心で仇討の中心人物となる不破数右衛門を横山裕(関ジャニ∞)、人間味溢れる若き浪士・武林唯七を橋本良亮(A.B.C-Z)が演じた。

お笑い芸人が多く出演している事もあってか、全体としてはお笑いの舞台を観ているような映画となっている印象だ。
映画館で笑い声を響かせるのに臆する人も多いと思うが、本作は皆で笑って観た方が気分が盛り上がるのではないだろうか。

予告動画

『決算!忠臣蔵』11月22日(金) 札幌シネマフロンティア、ユナイテッドシネマ札幌他 全国ロードショー!

原  作:山本博文『「忠臣蔵」の決算書』 (新潮新書刊)
脚  本・監  督:中村義洋
出  演:堤真一、岡村隆史、濱田岳、横山裕、妻夫木聡、荒川良々、西村まさ彦、木村祐一、橋本良亮(A.B.C-Z)、寺脇康文、桂文珍、竹内結子、西川きよし、石原さとみ、阿部サダヲ ほか
配給: 松竹株式会社
公式サイト
上映時間:125分

(c)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会

 

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
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