日本人監督初の快挙!
第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品
『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞した
是枝裕和監督が次に挑むのは、構想8年、初の国際共同製作作品
全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。
国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」
そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。
是枝監督だからといって「万引き家族」や「誰も知らない」のようなアンダーグラウンドの世界をイメージすると肩透かしを食うだろう。というか、知らないで観ると日本人が監督をしていることに気付くことも難しいかもしれない。
ただ、これまでにも数々の家族を題材とした作品を撮ってきた是枝監督だ。母と娘の心のすれ違いや小競り合い、時にハーフトフルな演出はお得意と見られる。
ストーリーは国民的大女優が綴った「真実」という名の自伝本をきっかけにその家族が集まり始まる。
その大女優役カトリーヌ・ドヌーヴの娘役はジュリエット・ビノシュ。脚本家でもある娘は母の自伝本に不満タラタラ。書いてて欲しいことが書かれておらず、書いてることは嘘ばかりという。
親子の確執というのは様々だが本作では大女優のプライドが邪魔をしているように感じた。
娘は子供の頃から母親の愛を求めていたけど叶わなかった。でも母親は表現が下手なだけで(女優なのに)母親なりに娘を愛していた。コミュニケーション不足は往往にして言葉足らずに感じる。
ジュリエット・ビノシュの役どころが脚本家というのが本作の面白さだと思う。
まだ幼い自分の娘を使って母親をコントロールしていく様は一枚上手だ。
私はフランス映画のブラックユーモア手前のギリギリ加減が好きだが、本作は日本人監督なのでそこは全くと言っていいほど無い。下世話な親子の会話が合間にあるので日本映画ではないことは確かだが。
是枝監督の「狙った感」が否めないのが勿体無い。
フランス映画としてではなく、是枝作品としてではなく、名だたる出演者の演技に注目してもらいたい。
監督 :是枝裕和
キャスト: カトリーヌ・ドヌーヴ/ジュリエット・ビノシュ/イーサン・ホーク/リュディヴィーヌ・サニエ
【撮影監督】エリック・ゴーティエ【脚本】是枝裕和
上映時間 108分
製作国 日本/フランス
配給会社 ギャガ
©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA Photo L. Champoussin Mi Movies-France 3 Cinéma
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