石井裕也監督が主演:超新人×豪華キャストで贈る、人間賛歌 すべてのセオリーをブッ飛ばす新しい日本映画、誕生!
町田くんが“わからない感情”に出会う時、 すべての人を巻き込んで、予測不能のドラマが動き出す―― 町田一(細田佳央太)、16歳。地味なメガネの高校生。見た目は優等生なのに勉強は苦手。運動神経はゼロに等しく、要領も悪い。そのうえ、機械音痴で携帯不所持。得意なものが見当たらない……。
でも“人を愛する才能”だけはズバ抜けていた! 困っている人を放っておけず、バスで立っているお年寄りがいれば必ず席を譲る町田くん。 ある日、授業中にけがをして保健室へ行った町田くんは、そこでサボっていた猪原さん(関水渚)と出会う。
不在の養護教諭に代わって手当てをしてくれた猪原さんだが、彼女は「人が嫌い」だと言う。そんな“人嫌い”の猪原さんが町田くんはとても気になった。今まで出会ったことのない“わからない感情”が芽生え始める町田くん。誰かに優しくすることは、ほかの誰かを傷つけることもある……?
生まれてはじめて直面した現実に、町田くんの中で嵐が吹き荒れる! これまで関わったすべての人たちを巻き込んで、町田くんが走り出す。“わからない”の先にある未知なる世界に向かって――!
原作は町田くんがとにかく良人で周りにいる人たちをちょっと幸せにしてくれる、ほのぼのとした漫画である。
本作も町田くんが良人であることに違いはないが、そこにファンタジーが加えられており、石井裕也監督の作品はいくつか鑑賞済みだが今回は過去作品とは一線を画している。
あまりに自由すぎる演出は奇想天外だ。予想不可能な展開に度肝を抜かれる。
またキャスティングにも注目して欲しい。
主役の町田くんとクラスで浮いた存在の猪原さん役はオーディションから選ばれた超新人だが、その2人の脇を固めるキャストは誰が主演になっても不思議ではない面子だらけ。
ここで石井裕也監督の力量を見せつけられるが、高校生役にアラサーだらけだったので逆に他にいなかったのかとも思ってしまう。
中でも町田くんの良き理解者である前田敦子演じる栄さんのやさぐれ感が面白い。今やママとなっている前田敦子の高校生役も最後だろう。
内容は原作と比べると町田くんの幼さが浮き彫りにされているように感じる。
あまりに純粋で人を疑うこともなくバカがつくほど真面目で鈍感。かと思えば仙人のような佇まい。一周まわって悟りを開いた老人のようでもある。
映画の中だけでなく観る人全てに癒しを与えてくれることは間違いない。
そして超新人の2人の初々しさや可愛らしさにも是非癒されて欲しい。
キャスト: 細田佳央太 関水 渚 岩田剛典 高畑充希 / 前田敦子 太賀 池松壮亮 戸田恵梨香 佐藤浩市 北村有起哉 松嶋菜々子
監督:石井裕也
脚本:片岡 翔 石井裕也
音楽:河野丈洋
原作:安藤ゆき「町田くんの世界」(集英社マーガレットコミックス刊)
公式サイト
上映時間: 120分
©安藤ゆき/集英社 ©2019映画「町田くんの世界」製作委員会