累計発行部数35万部を超える大人気コミック「ねことじいちゃん」(ねこまき(ミューズ ワーク)著/ KADOKAWA 刊 )が待望の実写映画化。
メガホンを取るのは日本人の作品としては初めて『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を2度飾った世界的に有名な動物写真家 であり、NHK-BS プレミアムで放送中の『岩合光昭の世界ネコ歩き』も大人気の岩合光昭が初めて映画監督に挑戦!
主演はこれまた映画初主演となる落語家の立川志の輔。岩合監督からの「大吉さんは志の輔さんしか考えられない」という熱い オファーで 67 歳&64 歳の初チャレンジの組み合わせが実現しました。
2年前に妻に先立たれ、飼い猫のタマと二人暮らしの大吉、70歳。毎朝の日課はタマとの散歩、趣味は亡き妻の残した料理レシピノートを完成させるこ と。島にカフェを開いた若い女性・美智子に料理を教わったり、幼なじみの巌や気心知れた友人たちとのんびり過ごしている。しかし友人の死や大吉自身もこれまでにない体の不調を覚えたりと、穏やかな毎 日に変化が訪れはじめた矢先、タマが姿を消して
―。
1人と一匹、生まれ育ったこの島で、共に豊かに生きるためにした人生の選択とは―
この映画はイラストレーターのねこまきによる漫画が原作。
数年前に妻に先立たれた大吉じいちゃんが小さな島で愛猫のタマと暮らす日常を描いたコミックエッセイだ。
どちらかといえば犬派の私はこの漫画を知らなかったのだが、世の猫好きから非常に人気があるようで周りの猫好きにも知られていた。
監督は動物写真家の岩合光昭。
「岩合光昭の世界ネコ歩き」(NHK BS プレミアム)という番組もまた、猫好きに有名らしい。
これらの事からもわかるだろうが、今作は動物好き・中でもとりわけ猫好きには堪らない映画となっている。
勿論この作品は猫の話だけではない。
島で暮らす老人達の日々を愛をもって映し出しており、映画全体がほのぼのとしていて心が温まる。
それにしても出演している猫達が実に才能溢れる演じ手で、観ているだけで癒され笑顔になれる。
撮影時にはなるべく猫にストレスがかからないようにと様々な苦慮があったようだが、その甲斐あってどのシーンでものびのびとした猫達の姿が満載。
古き良き島の景色には美しさと何とも言えない田舎っぽさがあり、桜をはじめとした四季折々の植物がまた日本の良さを再認識させてくれる。
大吉役の立川志の輔は映画初主演。
岩合監督からの熱烈オファーで実現したそうだが、私のように志の輔さんに惹かれて観に行く人もいるだろう。
独特の間、その語り口は絶妙でこのオファーが実現した事に感謝したくなる。
大吉が作る料理も男の料理をイメージして上手過ぎずに作られていて魅力的だ。
他のキャストには柴咲コウ、小林薫、田中裕子、柄本佑らが名を連ねていてそれぞれが自然に島の人を演じている。
お洒落なカフェが開店してから島の様子は少しずつ変わっていくのだが、そんな事はお構い無しに毎日のように開かれる猫の集会も可愛らしい。
映画の中の話ではあるが、ここでは昔ながらの良さと新しい試みとがうまく共生しており今まさに日本の地方都市が抱えている問題の解決策の内の1つとも見て取れた。
様々な場所で人間と猫が共存する穏やかで温かな島の様子や、猫たちそれぞれが人々の生活に深く関わっている事が微笑ましい作品だった。
出演:立川志の輔、柴咲コウ、小林薫、田中裕子、柄本佑、銀粉蝶、山中崇、葉山奨之
監督:岩合光昭
原作:ねこまき(ミューズワーク)「ねことじいちゃん」(KADOKAWA 刊)
配給:クロックワークス
上映時間: 103分
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©2018「ねことじいちゃん」製作委員会