本屋大賞第1位!世界的ベストセラー「HHhHプラハ、1942年」待望の映画化!史上唯一成功した、ナチス高官の暗殺計画。誰も知らない真実の物語。
ラインハルト・ハイドリヒ。
その冷徹極まりない手腕から“金髪の野獣”と呼ばれ、ヒトラーさえもが恐れた男。
かつては海軍の兵士だったが、女性問題によって不名誉除隊を余儀なくされ、妻の奨めでナチ党に入党。
自分の一部だったものをもぎ取られ、ナチ運動に怒りのはけ口を見つけた男は、諜報活動で頭角を現し、瞬く間に党幹部へとのしあがる。
さらに、150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者として、絶大な権力を手にしていく。
一方、この抑止不能な男の暴走を止めるべく、チェコ亡命政府によって選抜された2人の若き兵士が、闇夜に紛れパラシュートでプラハに潜入した。
綿密な計画を立てて待つこと数ヶ月、1942年5月27日、遂に決行の朝はやってきた。ハイドリヒを乗せたメルセデスが市街地に入り、路面電車の後から姿を現した――。
フランス・イギリス・ベルギーの伝記映画、『ナチス第三の男』
第二次世界大戦中、「金髪の野獣」と呼ばれたナチス親衛隊No.2 ラインハルト・ハイドリヒ(ジェイソン・クラーク)
この映画はハイドリヒの半生を描いていると共に、彼が襲撃される事となった暗殺計画を実行したレジスタンスグループに関しても知る事が出来る。
ラインハルト・ハイドリヒ。
その冷徹極まりない手腕で彼の名を知る人も多いだろうが、ナチス高官の中で暗殺された唯一の人物である事も知られている。
ヒトラー・ヒムラーに次ぐ ナチス第三の男ハイドリヒは、”ユダヤ人大量虐殺”の首謀者としてナチスで最も危険な男となった。
彼の死がナチス政権に衝撃をもたらしたのは言うまでもない。
海軍に勤務しエリートコースを歩んでいたハイドリヒが何故ナチ党へ入党し、どのようにして「金髪の野獣」とまでに恐れられる人物になったのか。
この映画では彼の目指した未来や思想がリアルに描き出されており、今まで知り得なかった彼の姿も感じられる。
ヒトラーまでもが「鋼鉄の心臓を持つ男」と讃える 怒れる男・ハイドリヒにも心の弱さや家族への愛情が確かにあった、のかもしれない。いや、あって欲しい。
暗殺部隊としてイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指示で送り込まれた青年達の描写もしっかりとしていてドラマ性がある。
ヤン(ジャック・オコンネル)とヨゼフ(ジャック・レイナー)を始めとする暗殺部隊はチェコの軍人達で、彼等はこの任務は自らの命を懸けなければ成し遂げられないという事を十分に認識していた。
愛国心もさる事ながら、誰かがナチスを止めなければならないという意志も持ちあわせた青年達。
正義を掲げ、悲願達成の為に一瞬一瞬を全力で生きた彼等の姿。
仲間との励まし合いなどからも当時の若者達の生き様が感じられる。
重苦しいだけの映画ではなく、いくつかの恋愛要素もあり感情移入しやすいものになっていた。
音楽や映像も非常に効果的に使われている。
使用されている音楽は観る者に独特の緊張感をもたらし、主要箇所を撮影したチェコ共和国・ハンガリーのある種の薄暗さは美しくすら感じる。
チェコにもハンガリーにも行った事が無いが、この映画のイメージで旅に行くとその印象とは大きく違いそうだ。
何度も観返したいタイプの映画ではないかもしれないが、1度観るだけで心に残るものとなるだろう。
ヒメネス監督はヤンとヨゼフが共に”ジャック”の為呼び方に苦労したそうで、2人を呼ぶ時はジャックとジャッコとしたらしい。
シリアスな場面の多い2人の登場シーンで監督からの指示がある際にどちらがジャッコと呼ばれたのかというどうでも良い事が少し気になった。
【出演】ジェイソン・クラーク、ロザムンド・パイク、ジャック・オコンネル、ジャック・レイナー、ミア・ワシコウスカ
【監督】セドリック・ヒメネス
原作:ローラン・ビネ/高橋啓訳 「HHhH プラハ、1942年」(東京創元社刊)
2017年 フランス・イギリス・ベルギー合作
上映時間:120分
原題:THE MAN WITH THE IRON HEART
R15+指定
言語:英語(日本語字幕:松岡葉子)
公式サイト
提供:アスミック・エース、バップ
配給:アスミック・エース
後援:チェコ共和国大使館
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