『バレンタインデー』(’10)、『そんな彼なら捨てちゃえば?』(’09)の脚本家コンビの監督デビュー作。
自分を世界一の美人と勘違いするようになったヒロインを通して、容姿のコンプレックスなど、女性なら誰もが共感できる気持ちを重くならずコメディタッチで見事に描いている。
そして、本作には強烈なキャラクターが多数出演!ヒロインが働く化粧品会社の憧れのカリスマ上司に実力派女優のミシェル・ウィリアムズ。
今までのイメージを一新するほどコミカルで独特のキャラを演じている。その他、同じ化粧品会社の上司ヘレン役にスーパーモデルのナオミ・キャンベル。
完璧なルックスなのに自分に自信のない美女役に”神ボディ”ことエミリー・ラタコウスキーが出演。
誰もが自分にコンプレックスを持つ社会において、ありのままの自分を愛することの大切さを教えてくれる本作は、今の自分が一番好きになる、すべての女性に捧げるバイブルとなること間違いなし!
自分の容姿にコンプレックスがあり、仕事も恋も積極的になれないレネー。ある日、自分を変えようと通い始めたジムでハプニングに見舞われ、頭を打って気を失ってしまう。
そして目覚めると、絶世の美女に変身していたのだ!(と思い込んでしまう)見た目はそのまま、超絶ポジティブな性格に生まれ変わったことでレネーは自信に満ち溢れ、仕事も恋愛もすべてが絶好調になるが・・・!?
レネーの声を渡辺直美が担当した日本語吹き替え版で試写鑑賞。
ぽっちゃり女子でコンプレックスの塊、主人公レネーの下剋上物語は、大声で笑ってしまうほど可笑しくてパワフルなラブコメだ。
痩せさえすれば素敵な恋愛ができる。
もっと顔が美しけければチャンスはやってくる。
舞台はNY。化粧品メーカーのルクレア社オンライン部門の窓際でひっそりと働くレネーのネガティブな考えは、現代に生きる女子たちの劣等感を鏡のように映し出している。
実際私からみても、十分痩せているのにまだ痩せたいと言い張る女子や、見た目さえ変われば何か良いことが起きると信じている女性は多い。そのためにフィットネスジムに通ったりダイエットをし、自分磨きやアンチエイジングは女性の永遠のテーマである。
しかし美しさの定義とは何なのだろう?見た目なのか心のあり方なのか?
物語の中のレネーの変貌(あくまでも外見が変わったと信じ込む本人の妄想)ぶりで、美しさの定義が理解できるような気がする。
自分への自信と、他人への愛や優しさがある人は美しい。
レネーは外見が変わった(実際には変わっていないが)ことで、異様なパワーと自信を持ち周囲を圧倒させる。
レネーの体型はぽっちゃりのままだし、顔だってしっかり二重顎。でもその強すぎる自信で自分と周囲の世界を一変させてしまう。
レネーが下剋上することで、ルクレア社の本社勤務となる。彼女が手助けするルクレア社CEOのエイヴリーをミシェル・ウィリアムズが演じている。外見は美しく高学歴だが、声の高さと緊張症にコンプレックスを持つ女性を演じ、オスカー女優のミシェル・ウィリアムズがなかなかのコメディエンヌぶりを発揮している。
自信を持ったレネーが逆ナンパしたイーサン役には、コメディアン、作家、俳優のロリー・スコヴェルが演じている。
主人公レネー役のエイミー・シューマーが全米大人気のコメディエンヌで、このふたりの息のあった掛け合い漫才的なデートシーンに、ほんわかと可愛いらしい気持ちをもらえ、やはり恋愛って素敵だと改めて思う。
大好きな人が傍にいるだけで、心が磨かれて優しい気持ちになる。
体重が2キロ増えたことで、食事を減らしたりジムで走ったりと何かと体型に劣等感を持つ私。自分で自分を認められない時ほど、心が不安定でキラキラしていない。
反してありのままの見た目を武器にするエイミー・シューマーは超絶プリティーだ。
実際の彼女の豊満なボディと強烈なキャラクターで、エンターテイメントで大活躍の全米で最も稼ぐコメディエンヌ。2017年には有名シェフのクリス・フィッシャーと結婚している。
すべての女性に今の自分を愛し認めてほしい。女性の共感度ナンバーワン『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』オススメのコメディ映画だ。
監督:マーク・シルヴァースタイン&アビー・コーン
出演:エイミー・シューマー、ミシェル・ウィリアムズ
吹き替え版声優: 渡辺直美
配給:REGENTS
公式サイト
上映時間:110分
原題: I Feel Pretty
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