『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督×ライアン・ゴズリング夢をかなえる最強タッグ再び! 大ヒット作『ラ・ラ・ランド』で、その評価と人気を決定づけたデイミアン・チャゼル監督。
待望の最新作はその舞台を宇宙へと広げ、1969年に成し遂げられた月面着陸という人類初の偉業を描くというのだ。実は『ラ・ラ・ランド』より先に企画され、リサーチと構想に膨大な歳月が注ぎこまれた、壮大なるエンターテインメントが遂に完成した!
ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)へ告げられる「ニール、きみは最高のパイロット だ。月へ行ってくれ」という言葉。
「ゼロから作り上げる」NASAのプロジェクトチームの生死をかけた訓練、「つらい知らせだが、彼らは死んだ」と告げられる仲間の犠牲者たち「帰ってくるよね?」と尋ねる幼い息子に対し「そのつもりだよ」と何の保証もないまま答える父親の会話から伝わる家族間の緊張。遂に打ち上げのカウントダウンが開始され、妻のジャネット(クレア・フォイ)や、NASAの局員たちが見守る中、アームストロングが搭乗するアポロ11号は未知なる“月”へと飛び立つ。
宇宙を題材にした映画といえば「ゼロ・グラビティ」を思い出す。
素晴らしい映画だった。
観ている途中から、絶対に、例え1億積まれても、宇宙には行きたくないと思うほどに。
それくらいホラーやサスペンスとは別の新しい恐怖を体感させられた。
そして本作。
心の準備はできていたが「ゼロ・グラビティ」とはまた別の恐怖があった。
とてもアナログなのだ。
当然である。まだ1960年代の話なのだ。日本でいうと終戦から二十数年しか経っていない。
作中では可能な限りのアナログ感が表現され、観客に当時のミッションがどれほどの偉業だったのかリアルに目撃させるよう仕向けている。
月面着陸を計画していた当時は携帯電話もなければインターネットという言葉すら存在したかわからない。とにかく現代の技術が存在しない中での挑戦だったということを忘れてはいけない。
どれほどの犠牲を払ったのか、どれほどの非難を浴びながら実践されたのか。
その過酷で無謀な中、人類で初めて月面に降り立った人物「ニール・アームストロング」を演じたのはライアン・ゴズリング。
「ラ・ラ・ランド」で手を組んだデイミアン・チャゼル監督との最強タッグが再び実現されている。
ライアン・ゴズリングは過去の出演作においてもとても作品に恵まれているように思うが、実力も兼ねており、内省的で控えめなニールを目で演じきっていた。
宇宙服に身を包んでいる為、どアップの目だけのゴズリングのシーンが沢山登場する。
それがとてもリアルに観る者に訴えかけてくるのだ。
本作では宇宙飛行士のプライベートに焦点を当てているところも魅力のひとつだ。
ニールの妻、彼を影で支える立役者にはクレア・フォイが演じている。
宇宙に命懸けで挑戦する夫の妻とはどれほどの精神力が必要とされるだろう。
手放しで応援はできないだろうし、何度止めて欲しいと思ったか知れない。
月面に降り立った瞬間のシーンと並んで、ニールが帰還して妻と再会するシーンは静かな感動を呼ぶに違いない。
残念ながら現実ではニールは30年以上連れ添った最初の妻と離婚して割りとすぐに再婚している。
宇宙飛行士を引退してからの離婚と再婚だろうが映画を観てから知るととても切ない。
原題: First Man
監督/制作:デイミアン・チャゼル
脚本/製作総指揮:ジョシュ・シンガー
原作:ジェイムズ・R・ハンセン
キャスト:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー
上映時間: 141分
公式サイト
配給:東宝東和
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