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北海道、海が見える牧場。せたな町が舞台「そらのレストラン」あらすじ・感想

 

作品紹介

『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』に続く、北海道映画シリーズ第三弾。
「いただきます!」毎朝元気な声が響く明るい食卓で笑い合うのは、北海道・せたな町で暮らす亘理(わたる)、妻のこと絵、一人娘の潮莉(しおり)の3人家族。海が見える美しい牧場で、牛を飼いながらチーズ工房を営む亘理は、大好きな家族と仲間たちに囲まれ幸せいっぱいだ。
東京からやってきた若者・神戸や、札幌の天才シェフもいつしか仲間に加わり、亘理はあることを思いつく。

それはせたなの「おいしいもの」たちを、もっとたくさんの人に届けるため1日限定のレストランを開くことだった。

主演は北海道出身で、今や日本映画界に不可欠な存在となった大泉洋。共演は本上まなみ、岡田将生ら個性的な実力派揃い。監督は豊かな映像美や繊細な人物描写に定評のある、深川栄洋(『神様のカルテ』シリーズ)が務める。

『しあわせのパン』では洞爺湖を舞台に「パン」を分け合う「夫婦」を、『ぶどうのなみだ』では空知を舞台に「ワイン」の熟成と「親子」を描いてきたが、今回描かれるのは、チーズのように味わい深い仲間と家族の絆。実際にせたなで自然と共に生きる循環農業を行っている”やまの会”の人々がモデルになっている物語は、これまで以上の優しいリアリティに満ちている。

時が経てば経つほど深まっていく人間関係は、まるで熟成されたチーズの滋味に富んだ味わいのよう。人は決して一人では生きられない。”そらのレストラン”を訪れたとき、あなたもそんな大切な何かに気づくかもしれません。
 

ストーリー

北海道せたなで暮らす亘理(わたる)と妻のこと絵と一人娘の潮莉(しおり)。彼は父親から引き継いだ海が見える牧場で牛を育てながらチーズ工房を営んでいる。しかしチーズ作りはまだまだで、厳しい師匠に怒られてばかり。

そんな亘理には気の会う仲間たちがいて日々助け合いながらも楽しく過ごしていた。そこに東京からやって来た牧羊を営む若者 神戸も加わり、それぞれの生産する食材を持ち寄り「おいしい」を共にしていた。

そんなある日、彼らの食材を目当てに札幌からやって来た、有名レストランのシェフによって自分たちの食材がさらにおいしくなることに感動し、この感動をもっと多くの人たちに届けたいと、仲間たちみんなで一日限りのレストランを開くことを目指す。

試写の感想

パン、ワインに続いてのチーズ。

企画・制作に携わったクリエイティブオフィスキューの代表である伊藤亜由美さんは「発酵熟成シリーズ」と名付けているそうだ。

どれも北海道の新しい食文化を語る上で欠かせない存在である。

そして北海道でしか体感できないであろう時間と風景がここにある。

勘違いしやすいが、本シリーズは北海道外の方に向けてお届けしている映画ではない。

北海道に住む我々に向けても発信されている映画である。

それが証明されているのはロケ地である。

シリーズを通して小樽や富良野に美瑛、函館のように観光地としてわかりやすい場所をロケ地としておらず、道民ですら知られざる地を選んでいる。

そして今回選ばれたのは道南に位置する「せたな町」である。

地図で自信を持ってせたな町を指差せる人は少ないだろう。

せたな町はこれまでのシリーズには登場しなかった北海道の海を見ることができる。

北海道の自然をイメージする中で意外にも海は連想しにくいかもしれない。海に囲まれているにも関わらず。

でも本作では海を含めた大自然が北海道にあることを改めて認識することができるだろう。

まさに「北海道はでっかいどう」である。

さて、その北海道が生んだ大スター、大泉洋演じる主人公は妻と幼い娘の家族を持った酪農家である。

チーズ作りの師匠のほか、周りには農家や漁業を営む仲間達がいる。

これら登場人物には「やまの会」という実在するモデルがいる。

彼らは自然に寄り添った安心安全な食作りを目指しているグループとのこと。

まさに今回のテーマのひとつでもある「仲間」である。

映画の中ではやまの会が実際に催しているイベントを着地点としているのでそこを楽しみにしながら観てほしい。

また過去のシリーズ同様、映画の中では美味しい食べ物がいっぱい登場するため目移りすることも覚悟してほしい。

個人的には映像時間は短いがチーズ作りの行程がとても面白かった。

特に固まりつつあるチーズの中に手を入れるシーンは感触を想像しつつ見惚れてしまう。

ぜひ劇場で美味しい北海道をご賞味あれ!

予告動画

「そらのレストラン」

キャスト:大泉 洋 本上まなみ 岡田将生
マキタスポーツ 高橋 努 石崎ひゅーい 眞島秀和
風吹ジュン 小日向文世

監督:深川栄洋 脚本:土城温美 音楽:平井真美子
主題歌:「君がいるなら」スカート(PONY CANYON) 
挿入歌:「Bradford」世武裕子(PONY CANYON)/「花束にかえて」スカート(PONY CANYON)

製作:『そらのレストラン』製作委員会
企画:クリエイティブオフィスキュー

制作プロダクション:アットムービー
配給:東京テアトル
上映時間: 126分
公式サイト

(c)2018『そらのレストラン』製作委員会

大泉洋・本上まなみ・深川監督らが登壇『そらのレストラン』完成披露試写会舞台挨拶 in札幌

投稿者プロフィール

坂本早苗
札幌市内で働くOL。
ストレス発散はテニスで体を動かすことと大好きなパンを求め全国のパン屋さんの情報収集。着る服は骨格診断を意識しています。
映画は年齢と共にミニシアター系が好みに。
沢山の映画と出会い、観て聴いて考えてお気に入りを探していきたいです。
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