ナマケモノのラブ・コメディ、ヒグマの喜劇
イグアナのスパイ・アクション、キリンの西部劇
地球の1日にはわたしたちがまだ知らない命のドラマが溢れている!!
全世界で120億円以上の興行収入を叩き出した『アース』から10年。『ディープ・ブルー』、『オーシャンズ』、『ライフ -いのちをつなぐ物語-』のBBCアース・フィルムズが贈る最新作は、過去のネイチャー・ドキュメンタリーとは異なる視点で生き物の姿を捉えている。日の出から日の入りまで1日の太陽の流れを軸に、動物たちに限りなく近づき同じ目線で見ているかのような迫力の映像で、生き生きとした表情が描かれる。
そこには、すべての生き物の毎日にドラマがあり、わたしたちと同じように日々精一杯生きているということに気づかされる。そして、わたしたちは自然と共存し、地球をすべての生き物と共有<アース・シェアリング>して生きていかなくてはならないのだと、改めて感じさせてくれる。
製作期間3年、22か国、撮影チーム100人、ドローン200台!
最高峰のスタッフ&最新の技術で生き物たちの貴重な姿を撮影!!
最新の4K技術や超軽量カメラによって、まるで動物たちと一緒にいるかのような自然な動きの撮影が実現。
大型ドローンでは、岩壁に生息する絶滅寸前種のサルの空中撮影に初めて成功。また、1秒に1,000コマ以上の撮影を可能にしたハイスピード4Kカメラは、カゲロウが一斉に孵化する神秘的な瞬間を捉えている。監督には、英国アカデミー賞とエミー賞受賞のリチャード・デイル、『真珠の耳飾りの少女』のピーター・ウェーバー、さらに中国から、エミー賞で2部門を受賞した初の中国人監督ファン・リーシンを迎えた。
脚本は、ロンドンオリンピックの開会式を手掛けたフランク・コットレル・ボイスと、30以上の賞に輝く小説家ゲリン・ヤンが担当。音楽は、『ラストキング・オブ・スコットランド』のアレックス・ヘッフェスが、中国で120人のオーケストラと聖歌隊と共に、壮大な物語に仕上げた。
ネイチャー・ドキュメンタリーを初めて観たが、素晴らしい映像と、それに合わせた音楽にハラハラドキドキさせられた。
世界の撮影技術は想像以上に凄い。
クマからハチ、空から海底、それらが全く距離を感じず、それぞれの大きさの違いも錯覚するほどにスクリーンを通して真近で見ることができる。
通常なら危険すぎる動物や、逆に人間に対して臆病すぎる動物に対してもカメラは接近している。
また、1つのアングルだけではなく全方向からのショットが可能になっていることで、よりドラマティックに演出されている。
当然、あらゆる天候への対策も万全に臨んでいる。
これら動物を扱うドキュメンタリーで食物連鎖の映像は避けて通れないところではあるが、その代表格であるライオンに喰われたシマウマのようにエグい映像は本作にはない。
でも孵化したてのイグアナの赤ちゃんを何十匹もの蛇がものすごいスピードで追いかける様はまるでミッション:インポッシブルの「敵に追われるトム・クルーズ」のようであったり、ペンギンの大群は少し前に話題になっていた「ポケモンGOを求め鳥取砂丘に集まる人々」のようである。
最も私の印象に残ったのは親指ほどの大きさというラケットハチドリの生息である。
姿は美しく可愛いが、激しく放出されるエネルギーのために常にあらゆる蜜を求めパタパタと飛びまわっている。
その中でハチとの戦いから雨つぶとの戦いもあり、精一杯生きてる様子がとにかくいじらしい。
そしてパンダはいつ見ても可愛い。
本作は太陽が巡る1日の動きに合わせてストーリーが構築されている。
そのため陰の立役者である太陽の存在を忘れてはいけない。
あらゆる生命の命に太陽が重要な役割を果たしていることを再認識できるだろう。
一般の動物好きの人たちだけではなく、彼らと同じ時間を生きる全ての者へのメッセージが詰まった作品である。
11月30日(金)、札幌シネマフロンティア ほか全国公開
■原題・英題
Earth:One Amazing Day
ナレーター:佐々木蔵之介
監督:リチャード・デイル、ピーター・ウェーバー、ファン・リーシン/プロデューサー:スティーブン・マクドノー
製作総指揮:ニール・ナイチンゲール/音楽:アレックス・ヘッフェス
脚本:フランク・コットレル・ボイス、ゲリン・ヤン/製作:BBCアース・フィルムズ
2017年/イギリス・中国/94min/5.1ch/アメリカン・ビスタ
原題『Earth:One Amazing Day』/監修:新宅広二/配給:KADOKAWA
ⓒEarth Films Productions Limited 2017