世界各国の映画祭で10以上の賞を受賞!
世界中を魅了した、実話を元にした愛すべき青春映画の傑作誕生!!
「ウォールフラワー」「シング・ストリート」に続く、愛すべき青春映画の傑作!!
この旅には、人生を永遠に変える、宝物が詰まっている―
不器用ながらもまっすぐな主人公ジェイミーに抜擢されたのは、大ヒット作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』でも注目された若手俳優のアレックス・ウルフ。一方、謎に包まれた伝説の作家サリンジャー役には、『アダプテーション』の名優クリス・クーパーがキャスティングされ、見事な存在感を放っている。
本作は、ジェームズ・サドウィズ監督の実体験を基に描かれているだけに、青春時代ならではの甘酸っぱさとほろ苦さはリアルそのもの。普遍的ともいえる感情は幅広い層からの共感を呼び、長編監督デビュー作にして海外メディアからも高評価を獲得。世界各地の映画祭でも数々の賞を受賞し、喝采を浴びている。揺れる麦の穂に触れているかのような優しさと、爽やかな感動を味わえる“青春映画の決定版”。大人になると忘れがちな思いが蘇り、心の奥が温かくなる、珠玉の青春映画が誕生しました。
1969年、アメリカ・ペンシルベニア州。学校一冴えない高校生のジェイミーは、周囲ともなじめない孤独な生活を送っていた。そんなある日、若者のバイブル「ライ麦畑でつかまえて」に感銘を受け、演劇として脚色することを思いつく。
しかし、舞台化には作者であるJ.D.サリンジャーの許可が必要だと知る。そこで、連絡を取ろうと試みるものの、隠遁生活をする作家の居所はつかめないまま。その最中、学校である事件が発生し、ジェイミーは寮を飛び出してしまう。そして、演劇サークルで出会った少女のディーディーとともに、サリンジャー探しの旅に出ることを決意するのだった。新たな一歩を踏み出したジェイミーが見つけた“人生のヒント”とは……?
ヒロイン役のディーディーの台詞「男ってホントうぶよね」。
まさにそういう話である。
特段大きな盛り上がりを見せるわけでもなく物語は淡々と進むが、質感が心地良く不思議と飽きない。
序盤は面白いカメラワークに引き込まれ、片田舎の秋の美しい風景に魅せられる。
本作は監督の実体験が基に制作されているというから驚きだ。
自分が心酔する作家に会いに行く気持ちを想像してみる。
好きな芸能人に会いに行くのとは尊敬の念が違いそうだ。
でも本作のように高校生が古い車で田舎道を旅しながら人里離れた一軒家を探すのと、電車を乗り継ぎながら都会のマンションの一室を探すのとでは随分イメージが異なる。
ロードムービーというより、ドキュメンタリー寄りになってしまいそう。
映画の中の背景がどれだけ重要か改めて考えさせられる。
主人公ジェイミーが冴えなくて痛々しいほどだが、よく考えると実直で素直な良い男の子だと気付く。
不器用で上手く現実と向き合えないでいるだけだ。
それに反してジェイミーのことが好きなディーディーが出来すぎてて、恋人というよりお母さんのようだった。
こんな女の子に好かれるジェイミーが羨ましいと思うほど。
サリンジャーを探す旅の過程で大人に成長していくというより、ディーディーと過ごす時間の中でジェイミーが成長していくと言っても過言ではない。
私が「ライ麦畑でつかまえて」を読んだのも主人公ジェイミーと同じくらいの年齢だった。
当時は正直期待したほど共感できず一度読んだきりになっている。
今読んだらきっとまた違う感想を持つだろう。
本作ではオマージュらしきポイントがいくつかあるので是非読んでおくことをお勧めしたいが、未読のままでも十分楽しめることは間違いない。
サリンジャーはかなり用心してプライバシーを守っていたようで、同じ町に住む人たちも暗黙のルールで彼の居場所を口外することはなかったようだ。
また、監督が節目節目でサリンジャーに手紙を何度か出しているようだが一度も返事がきたことはないという。
そんなサリンジャーという人物を想像し、ディーディーに勇気をもらいジェイミーが覚悟した顔を見せる時を見逃さないで欲しい。
『ライ麦畑で出会ったら』10月27日全国公開
11月10日シアターキノで公開
監督:ジェームズ・サドウィズ(『ELVIS エルヴィス』、『フランク・シナトラ/ザ・グレイテスト・ストーリー』)
出演:アレックス・ウルフ(『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』)、ステファニア・オーウェン(『ラブリーボーン』)、
クリス・クーパー(『アダプテーション』)
アメリカ/英語/2015年/97分/シネマスコープ/5.1カラー/PG12
原題:Coming Through The Rye/配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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