監督:大友啓史×原作:川村元気
お金とは?幸せとは?今を生きる人々にその価値を問う
新感覚マネーエンターテインメント!
佐藤健×高橋一生ら豪華キャスト陣がお金をめぐって大冒険!
映画『ハゲタカ』や『るろうに剣心』シリーズで新しいエンターテインメントを切り開いてきた、大友啓史監督。
2012年から2014年にかけて公開された『るろうに剣心』シリーズでは累計興行収入125億円を超える大ヒットを記録。日本映画の新たなアクションエンターテインメントの扉を開き、大きな話題となりました。そんな、大友監督が最新作に選んだ題材は、なんと“お金”!原作は、2015年に「本屋大賞」にノミネートされ、累計発行部数66万部を突破している話題作「億男」(川村元気著)。
お金とは?幸せとは?お金を巡って、幸せのあり方、家族のあり方、友情のあり方などを問う普遍的なテーマながら、まるで“地獄めぐり”のように個性的な億万長者たちと主人公が向き合い、その答えを探しだす姿を描くという、まったく新しいお金のエンターテインメント作品になります。
兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、図書館司書の一男(佐藤健)は、夜もパン工場で働きながら借金を返済している。
妻・万左子は度重なる借金の返済に苦心し窮屈に生きることしか選んでいない一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまうのだった。
そんな踏んだり蹴ったりの一男だったが、突然宝くじが当たる。当選金額3億円!これで借金を返せるだけでなく、家族の絆を修復することができるはず。
だがネットを見ると、宝くじの高額当選者たちはみな悲惨な人生を送っているという記事ばかり・・・。
怖くなった一男は、大学時代の親友であり、起業して億万長者となった九十九(高橋一生)にアドバイスを求めることにする。久しぶりの再会と九十九プロデュースの豪遊に浮かれて酔いつぶれた一男が翌朝目を覚ますと、3億円と共に九十九は姿を消していた――。
3億円と親友のゆくえを求めて、一男のお金と幸せをめぐる冒険が始まった。九十九の家のパーティで出会った“あきら”(池田エライザ)と名乗る女性を頼りに、かつて九十九と起業した仲間=“億男”と呼ばれる億万長者たちに九十九の手掛かりを探る。
ギャンブル好きの実業家:百瀬(北村一輝)、マネーセミナーの教祖:千住(藤原竜也)、10億円を隠し持つ主婦:十和子(沢尻エリカ)・・・。
クセ者ぞろいの億男たちを渡り歩く“地獄めぐりに”翻弄される一男。お金、友情、そして家族。すべてを失った男が最後にたどり着くのは?お金とは何か?幸せはどこかー
映画プロデューサーの川村元気原作、ベストセラー小説「億男」を大友啓史監督・佐藤健× 高橋一生という豪華タッグにより映画化。
誰しもが翻弄され、時には人生をも狂わされる『お金』の正体とは一体何なのか。
お金で買えるものは?
お金があっても手に入らないものとは?
そんな疑問を投げかけた作品だ。
大友監督というと『るろうに剣心』シリーズや『3月のライオン』前編・後編など、漫画原作に息を吹き込み丁寧に色をつけたような作品が印象深い。
今回は、それらに比べるとより人間臭さやお金の持つ負のエネルギーによる闇の部分を感じさせる映画になっていた。
主人公は借金を抱えた不運な男、”一男”
大友組常連の佐藤健だが、今までにはあまりない冴えない優男役となる。
一男が迷走する様子は観ていて痛々しく同情すら覚えるのだが、同じような状況にされるとそうなっていまうのも致し方ないように感じた。
一男の学生時代の親友であり、億万長者となった謎の男”九十九”はここ数年で一気にその表現力が高く評価されるようになった高橋一生が演じる。
原作を読んだ際に 高橋一生の掴み所のない飄々とした印象と 言わば根暗な青年の九十九とはややイメージが異なるように思えたが、実際に観てみると思っていた程の違和感は無かった。
一男と個性豊かな億万長者達(=億男)とのやりとりは目まぐるしくシーンが変わり少し疲れてしまうが、一男と九十九の旅先であるモロッコの美しい景色と色鮮やかな街の賑わいには思わず目を奪われる。
一男にとっては気の置けない友人との旅の想い出となり、九十九にとっては原点となったモロッコ。
ここでのシーンはどれも印象的だ。
主題歌を担当するのはBUMP OF CHICKEN。
「話がしたいよ」は映画のために藤原基央(Vo, G)が書き下ろした新曲で、この映画に味わい深さを足してくれている。
繊細な歌声による始まりから、徐々に壮大なバンドサウンドへと展開が拡がるのは流石。
最後は穏やかで余韻が残るエンディングとなっていた。
話は戻るがお金で買えないものは何なのだろうか。
友情、仲間、家族、愛、幸せは本当にお金で買えないものなのか。
一・十・百・千・万、そして九十九。
お金に翻弄され、狂わされ、時には助けられる私達人間。
大半の人は生活に困らずにたまに旅行にでも行ける程度のお金があればそれで幸せだと考えるだろうが、実際に大金が手に入ると果たして冷静にそのお金を使う事が出来るのだろうか。
おそらくたまには贅沢でもしてみようかな、と考えてしまう。
そうすると少しずつ生活は変わり、心も変化するだろう。
一度味わった贅沢というのはなかなかに甘い誘惑で、たまにその蜜を味わいたくなるものだ。
この作品により、もしも急に大金が手に入った場合はどうすべきかのシュミレーションは出来た。
この映画を観てお金に支配されない自分が想像出来たなら、それだけでもきっとこの映画を観た意味があっただろう。
あとは宝くじが当たるのを待つだけだ。
佐藤健 高橋一生
黒木華 池田エライザ / 沢尻エリカ 北村一輝 藤原竜也
原作:川村元気「億男」(文春文庫刊)
監督:大友啓史
脚本:渡部辰城 大友啓史
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ」(TOY’S FACTORY)
上映時間:116分
(C)2018映画「億男」製作委員会