『イット・フォローズ』監督が放つ、<新感覚>ネオノワール・サスペンス!
恋に落ちた美女の突然の失踪。オタク青年サムは、暗号解読、都市伝説、サブリミナルなどの知識を活かし、光溢れる街、LA<シルバーレイク>の闇に近づいていく―
“大物”になる夢を抱いて、L.A.の<シルバーレイク>へ出てきたはずが、気がつけば仕事もなく、家賃まで滞納しているサム。ある日、向かいに越してきた美女サラにひと目惚れし、何とかデートの約束を取り付けるが、彼女は忽然と消えてしまう。
もぬけの殻になった部屋を訪ねたサムは、壁に書かれた奇妙な記号を見つけ、陰謀の匂いをかぎ取る。折しも、大富豪や映画プロデューサーらの失踪や謎の死が続き、真夜中になると犬殺しが出没し、街を操る謎の裏組織の存在が噂されていた。暗号にサブリミナルメッセージ、都市伝説や陰謀論をこよなく愛するサムは、無敵のオタク知識を総動員して、シルバーレイクの下にうごめく闇へと迫るのだが──。
シルバーレイクは、LAのダウンタウンとハリウッドの間に位置する。
映画の街ハリウッドとセレブが住むビバリーヒルズ、『ラ・ラ・ランド』にも登場したグリフィス天文台や、HOLLYWOODのサインがシンボリックな存在。
ハリウッド観光した方には判る、ティピカルな場所が目を楽しませてくれる。
物語は複雑怪奇で『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督らしい謎解きと、ヒッチコックスリラー的なテクニックが盛り込まれている。
失踪したサラを探す工程は、まるでリアル謎解きゲーム。その難題ぶりは主人公の残念なオタク青年・サム(アンドリュー・ガーフィールド)にしか理解できない。
そして主人公・サムの存在自体が謎で、生活費や飲み代、コールガールを買うお金はあるのに家賃が払えない。
山坂あるハリウッドやシルバーレイクを徒歩で移動する無職のサムだが、それこそが不可能に思える。
華やかなアメリカのショービズ界の裏にあるスキャンダルとハリウッドの光と闇。
きらびやかな街と対比する裏の世界を表しているが、サムの妄想と現実の区別がつきにくい。終始謎だらけでブラック・ユーモアがたっぷりの映画。
アンドリュー・ガーフィールドは『アメイジング・スパイダーマン』や『ハクソー・リッジ』でヒーローを演じたイケメン俳優との位置づけがこの映画で覆されたように思う。
上映時間は140分。日本公開は2018年10月13日、全米公開日は12月7日と2ヶ月早く日本での公開となる。
「アンダー・ザ・シルバーレイク」
10月13日(土)ディノスシネマズ札幌劇場 他全国公開
原題:Under the Silver Lake
監督・脚本: デヴィッド・ロバート・ミッチェル
キャスト: アンドリュー・ガーフィールド/ライリー・キーオ
上映時間 140分
製作国 アメリカ
公式サイト
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