那波マオ原作の同名コミックを、映画『ヒロイン失格』チームが、中条あやみ主演、佐野勇斗共演で映画化。 『美女と野獣』ならぬ“美女とオタク“のありえない純愛の行方を描く、笑って泣いて爽やかな気持ちになれるマジカルなラブコメディ!
書店で万引きの濡れ衣を着せられた学校一の美少女・五十嵐色葉を助けたのは、2次元を愛する超絶オタク・つっつんこと筒井光。 リア充の色葉から突然の告白を受けたつっつんは新手のイジメだと疑いながらも、正反対のふたりの交際がスタートして……!?
– 美女とオタク 違う世界のふたりが恋に落ちた?! –
このキャッチコピーからもわかる通り、いや、想像以上に”つっつん”こと筒井光はオタクである。
もはやつっつんを演じた佐野勇斗がアニメやゲームという2次元を愛する男子高校生にしか見えない。
つっつんは異性や他人と関わることを苦手としている相当なオタクではあるが、明るい家族や趣味を共有する親友 伊東のいる生活は幸せそうだ。
ヒロイン五十嵐 色葉を演じるのは中条あやみ。
彼氏が次々出来るほどの超絶美少女という役柄がぴったりハマる、可愛さと美しさを併せ持つ女優だ。
葛藤の末に付き合うことにしたつっつんが、色葉が先に宣言した半年間 リアルの世界での対人関係に時に悩みながら色葉や仲間達との仲を深めていく恋愛+友情の青春物語である。
中でもつっつん同様…もしかするとそれ以上かもしれないオタクである伊東の存在は、彼にとってとても大きなものだろう。
2人にとって転機となるきっかけになった女子高生オタク 綾戸さんも重要だ。
そんな伊東を演じた ゆうたろうは今回初の映画出演となるのだが、初の出演でこの役どころというのはこれからますますの活躍が期待出来そうだ。
綾戸さんを演じる際にアドリブを入れてまわりを驚かせたという上白石萌歌の熱演は、ここ数作で抱いていた彼女に対するイメージを変える出来栄えだった。
ひしめき合う若手女優の中から一歩抜け出したのではないだろうか。
説明が遅くなったが、『3D彼女』(リアルガール)は那波マオによる人気少女コミックスで先にアニメ化となっており満を持して今回の実写映画化となる。
監督は『ハンサム★スーツ』や『ヒロイン失格』
昨年だけでも『未成年だけどコドモじゃない』『あさひなぐ』などを世に送り出したヒットメーカー 英 勉。
コミカルさだけでなくホロリとさせるヒューマンストーリーに長けている監督で、キャスト間の空気の良さなどが画面からも滲み出るのが英作品の特徴だ。
出演者達が本当の仲間のようになりまだまだこのまま英組で撮影を続けたかったと口を揃えて言うように、青春のキラキラした瑞々しい空気が詰まっていた。
その分、後半の5年間や周りの大人達の描写が少し不足していたように感じてしまった。
そこをもう少し丁寧に見せてくれていたら、クライマックスに一層感情移入しやすかったように思う。
余談だが、つっつんや綾戸さんが好きなテレビアニメ『魔法少女 えぞみち』のヒロインとして”えぞみち”というキャラクターが登場する。
“えぞみち”は語尾に「べさ」を付けるのが特徴。
つまり、この”えぞ”は蝦夷。我等が北海道弁なのだろう。
若い女性はほぼ使わない方言だとは思うが、道産子としては”えぞみち”ブームが起きて欲しいと心密かに思った。
『3D彼女 リアルガール』
9月14日(金)札幌シネマフロンティア 他全国ロードショー
キャスト 中条あやみ 佐野勇斗 清水尋也 恒松祐里 上白石萌歌 ゆうたろう 三浦貴大 / 神田沙也加(声の出演)/ 濱田マリ 竹内 力
スタッフ 監督:英 勉
脚本:高野水登 英 勉
音楽:横山 克
原作:那波マオ 『3D彼女 リアルガール』(講談社「KCデザート」刊)
公式サイト
Twitter:3Dkanojomovie
配給 ワーナー・ブラザース映画
©2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ©那波マオ/講談社