木村拓哉VS二宮和也×原田眞人監督=日本映画史に名を残す、新たな傑作が誕生!
『犯人に告ぐ』の雫井脩介が2013年に発表した『検察側の罪人』。時効廃止以前の殺人事件や、捜査機関によって生み出される冤罪など、司法制度が抱える問題点に鋭く切り込みながら、登場人物の葛藤を通して「正義とは何か」という人間の根源的命題への洞察をも描き出し、社会派ミステリの最高傑作と高く評価された。
その重層的で骨太な物語が、日本最高のスタッフ・キャストによって、ついに映画化!主人公のエリート検察官・最上を演じるのは、木村拓哉。
そして最上と対立する若き検察官・沖野には、二宮和也。日本が誇るトップスター二人の競演が、本作で初めて実現した。
都内で発生した強盗殺人。
被疑者の一人は、過去の未解決殺人事件の重要参考人だった。
捜査方針を巡って、対立する二人の検事。
法で裁けない罪人は、罰を免れ赦されるのか。
罪と罰、善と悪、そして、司法と検察官…。
正しいのは、どちらの正義か?
都内で発生した殺人事件。
犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野。最上は複数いる被疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。
その男・松倉は、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の重要参考人であった人物だ。最上を師と仰ぐ沖野は、被疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。
やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める。「最上さんは、松倉を、犯人に仕立て上げようとしているのではないか?」・・・。互いの正義を賭けて対立する二人の検事。彼らの戦いに、待ち受けていた決着とは——。
雫井脩介の原作映画、木村拓哉と二宮和也のダブル主演である。
敏腕検事の最上役に木村拓哉、彼に心酔する若手検事の沖野役に二宮和也と、途中までジャニーズ事務所内の2人の関係そのままじゃないかと思った。
木村拓哉演じる最上が感情に支配され暴走するまでは。
ある老夫婦殺人事件が起こり、容疑者の中に最上が知る時効殺人事件の重要参考人の名前を見つける。
今度こそ法の裁きを受けさせるべく思いっきり私情を絡ませながら執拗に追い込んでいく最上の強引なやり方に疑問を持つ沖野。
そこから2人の歯車が狂い出す。
時効により法を侵しておきながら罰を受けていない犯人を到底許すことはできない。
でもそのために罪を犯すことは「仕方がなかった」で済まされるのか!?
人は神ではない。正義とは何か。
木村拓哉演じる最上検事にどこまで共感できるかで見え方は全く違うだろう。
この作品では過去にない恐ろしい彼の姿を観ることができる。
見所は二宮和也演じる沖野が行う長い尋問シーン。
ちょうど放映されていたドラマ「ブラックペアン」の役と多少被って見えたが、映画の中の「若手検事が殻を破った瞬間」の演技としては実に見応えがあったと思う。
今となっては考えられない殺人事件の時効。
何年経とうと決して許されない罪の重さを深く考えさせられる作品である。
「検察側の罪人」
原作
雫井脩介「検察側の罪人」(文春文庫刊)
監督・脚本
原田眞人
音楽
富貴晴美 土屋玲子
キャスト
木村拓哉 二宮和也 吉高由里子・松重豊/山﨑努
公式サイト
配給:東宝
上映時間:2時間3分
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