すべての人が、この罠にハマる。
1秒も目を離せない先読みできない展開。
映画全編に緻密に張り巡らされた伏線の先に待ち構える、驚愕の結末。「教団X」で知られる芥川賞作家・中村文則による「去年の冬、きみと別れ」は、中村サスペンス最高傑作との呼び声高く、目の肥えた書店員たちに、「この小説は化け物だ」と言わしめた衝撃作である。
主演は大ヒット作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で華々しい役者デビューを飾った岩田剛典。
従来のイメージを180度覆しかねない強烈なキャラクター=耶雲恭介は、彼の代表作になること必至。狂おしいまでに一途な愛に生きる主人公を体現。美しい婚約者=松田百合子には山本美月。耶雲の取材ターゲット=木原坂雄大には斎藤工。その他、北村一輝、浅見れいな、など最高のキャスト陣が集結。
張り巡らされた罠。真実を目撃したとき、あなた自身が巨大な罠にハメられていたことに気づき、そして、映画のタイトルの本当の意味を知ったとき、立ち上がれない位、心震える――
3.10(土)「冬きみ」に観る人すべてが、ダマされる!予測不能!サスペンス、誕生!
彼女を奪われた。猟奇殺人事件の容疑者にーー。
結婚を間近に控える記者、耶雲(岩田剛典)が「最後の冒険」としてスクープを狙うのは、猟奇殺人事件の容疑者である天才カメラマン、木原坂(斎藤 工)。世間を騒がせたその事件は、謎に満ちたまま事故扱いとされ迷宮入りとなっていたのだ。真相を暴くため取材にのめり込む耶雲。
そして、木原坂の次なるターゲットは愛する婚約者(山本美月)に―――!
木原坂の巧妙な罠にハマる婚約者、そして耶雲までも……。だがそれは、危険な罠の始まりに過ぎなかった――。
木原坂の本当の正体とは?耶雲の担当編集者(北村一輝)、木原坂の姉(浅見れいな)の秘密とは? 果たして、耶雲と婚約者の運命は!?
すべての真実を目撃したとき、あなた自身が巨大な罠にハマっていることに気づく!予測不能!サスペンス、誕生!
『イキガミ』での山田孝之、『グラスホッパー』での山田涼介など 役者の持つポテンシャルを最大限に発揮させる事の出来る瀧本智行監督作品という事で期待して鑑賞。
見終えた後は、脳内が興奮状態になる。
瀧本組に参加した事のある俳優達が監督のロジカルかつ感覚的な映画を生み出すその才能に触れ成長するのも頷ける。
勿論、その為には原作や脚本の魅力も不可欠。
それが見事にマッチする事で生まれる映像の力は観る側の精神を刺激し消耗させる。
俳優陣の演技も圧巻だ。
今までの役柄とは異なる新たな顔を見せた 岩田剛典。
“猟奇殺人事件容疑者の天才カメラマン 木原坂雄大”という姿がはまり役とすら思えた斎藤工。
そして様々な難役を演じきる 北村一輝が、物語後半で焦りや苦悩を露わにするシーンには鼓動が高まる。
劇中で出てくる写真達の持つ美しさと妖しさも印象深く、CGではなく本物の燃え盛る炎の迫力も凄まじい。
登場人物それぞれの愛が重い。
狂気的なその愛は、正解なのか間違いなのかもわからない。
そもそも正しい愛の形というのはあるのだろうか。
このタイトルが指す本当の意味。
原作者 中村文則氏の最高傑作との呼び声も高い『去年の冬、きみと別れ』は予測不能なサスペンスで、最後まで見て初めてそれを理解出来る。
作品は『銃』しか読めていなかったのだが、”冬きみ”を含む今までの作品を読みたくなった。
「去年の冬、きみと別れ」
■出演:岩田剛典、山本美月、斎藤工・浅見れいな、土村芳/北村一輝
■原作:中村文則『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎文庫) ©中村文則/幻冬舎
■監督:瀧本智行『グラスホッパー』(15)『脳男』(13)『イキガミ』(08)『犯人に告ぐ』(07)
■主題歌:m-flo 「never」(rhythm zone / LDH MUSIC)
■上映時間:1時間59分
©2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会