2009年コスタ賞を受賞したセバスチャン・バリーの同名小説を映画化。第二次世界大戦時、1940年代激動のアイルランドを舞台に一人の女性の波乱と愛に満ちた人生を描き出した大河ロマン。監督は『父の祈りを』『マイ・レフトフット』で知られるアイルランドの巨匠ジム・シェリダン。主演は『キャロル』のルーニー・マーラと『ジュリエットからの手紙』のヴァネッサ・レッドグレイヴ。
アイルランドの古い精神病院。取り壊しが決まり、転院する患者たちの診察のために病院を訪れた精神科医のスティーブン・グリーンは、そこに40年もの間収容されている老女ローズを担当することになる。
ローズが大切にしている1冊の聖書の存在を知り、彼女の過去に興味を持ちはじめるグリーン。
ローズは何十年にもわたって、聖書のなかにひそかに日記を書き綴っていたのだ。そして、彼女は日記を辿りながら半世紀前の記憶をさかのぼり、自分の人生を語り始める。
それは、これまで決して明かされることのなかった衝撃的な内容だった…。
「ドラゴン・タトゥーの女」「キャロル」のルーニー・マーラ主演。
アイルランドの巨匠ジム・シェリダン監督がメガホンを取った人間ドラマに深い感動を覚える。
物語の始まりは取り壊しが決まった精神病院。
転院する患者たちの中でも変わり者扱いされているのが 老女ローズ・F・クリアである。
彼女は自ら産み落としたばかりの我が子を殺した罪で、犯罪者として40年もの間病院に収容されていた。
転院の為の再診察に任命されたのがスティーブン・グリーン。
彼は、精神障害犯罪者として長きに渡り収容されながらもその罪を否認し続ける彼女に興味を持たずにはいられなかった。
大切にしている聖書の中に隠された”秘密”
彼女が若き日のローズを語る事で知り得たいくつもの出来事は、決して幸せなものばかりではない。
想像以上に過酷な人生を送るローズ。
最後に、静かに涙を流してしまう。そんな映画だ。
先に挙げた両作品でもその存在感が際立っていたルーニー・マーラだが、今作で演じた若き日のローズも素晴らしい。
どこか陰のあるその美しさには人を虜にする危うさがあり、そんな彼女と過ごす事は特別な時間のように感じさせる力があるように思える。
その時 その時代 もしもその場に自分がいたら、彼女に惹かれるのか それとも恐怖を覚えるのか。
そんな事まで考えてしまう作品だった。
2018年2月3日(土)より札幌シアターキノほか全国公開
邦題:『ローズの秘密の頁(ページ)』
原題:『The Secret Scripture』
監督:ジム・シェリダン『父の祈りを』『マイ・レフトフット』
出演:ルーニー・マーラ『キャロル』、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジャック・レイナー
映倫:G
上映時間:108分
製作国:アイルランド
公式HP:rose.ayapro.ne.jp
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配給:彩プロ
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