大ヒット映画『猟奇的な彼女』などのクァク・ジェヨン監督最新作。
日本はもとよりアジアで人気の俳優、古川雄輝主演で、日韓が総力を結集して完成させ、北海道ロケで描く、究極のラブストーリー。
もし、別次元にこの世界と全く同じ世界が存在し、そこに自分とまったく同じ人間が生きていたら――? 本作は、流氷の北海道・知床と桜舞い散る東京を舞台に、時空を超えた2組の男女が繰り広げる“究極の愛の物語”。
突然目の前から消えた恋人・ゆり(藤井武美)の死から100日、彼女との想い出の品々を胸に、失意のどん底からマジシャンになることを決意した青年・涼(古川雄輝)。その後、“自分と生き写しの人間”の存在に気付き始めた彼は、生前「私たちはまた会える」、「流氷が見たい」と言っていた彼女の言葉に導かれるように、北海道へと向かう。そして、旅の途中で偶然出会った、亜矢と名乗る、ゆりと瓜二つの女性(藤井/二役)。彼女もまた、2年前の事故により行方不明になっていた、涼と瓜二つの天才マジシャン・隆(古川/二役)との再会を待ち望んでいた――。
まるで韓流スターのようなルックスの古川雄輝と、女優としてはまだ経歴が浅い藤井武美が主演。あまりスクリーンで見慣れない二人が繰り広げる、パラレルワールド的な道東の様子が、見慣れた北海道というよりも外国のように思えた。
何度も出てくる『ドッペルゲンガー』という言葉と、同一なのか別人なのかが判らない、同じ見た目の二組の男女が繰り広げるミステリアスなラブストーリー。
韓国人監督が映画を撮る想定外の手法と、天才マジシャンが主人公のリアル感の無い不思議さに頭が混乱する。
シリアスな恋愛に多少のユーモアが混ざるが、彼ら主人公たちに共感するのが難しいファンタジーの側面もある。
東京、札幌、北見、網走での撮影と日韓合作のこの映画。
北海道への観光をアピールした作品として、アジア諸国のファンに長く愛される作品になることを願う。
『風の色』
監督・脚本:クァク・ジェヨン
出演:古川雄輝、藤井武美、石井智也、袴田吉彦、小市慢太郎、中田喜子、竹中直人
英題:COLORS OF WIND
主題歌:華原朋美「風の色」(UNIVERSAL J)
挿入歌:Professor Green /Read All About It (Feat Emeli Sande)(USM JAPAN)
原作小説:「風の色」著:鬼塚忠、原案:クァク・ジェヨン(講談社文庫刊)
2017/日韓合作/日本語/カラー/5.1ch/シネスコ/119分
配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント/カルチャヴィル
Ⓒ「風の色」製作委員会