「才能がある」「有能である」という意味で、いろんな分野で優れた才能を持っている人の事をギフテッドと呼びます。
生まれつき平均より著しく高度な知的能力を持つ人、またはその能力のこと。すべての分野に秀でていることは稀で、何かに突出している場合が多い。
アインシュタインはギフテッドの有名人の1人であり、欧米ではギフテッド教育が盛んに行われ、その才能を開花するため教育の場がある。
フロリダに暮らす、ちょっと変わった2人と1匹の家族。7歳の生意気ざかりのメアリーと、彼女の叔父でシングルのフランク、そして“歴史上一番すごい猫”のフレッドだ。互いがいるだけで、毎日が記念日のように楽しい時間は、メアリーが学校へ行くことになり揺らぎ始める。彼女には、生まれながらにして数学の天才的な才能(ギフテッド)があった。フランクはメアリーの英才教育を頑なに拒むが、そこへ縁を切ったはずのフランクの母親が現れ、彼からメアリーを奪おうとする。歴史を変える才能の開花か、愛する者と生きる人生か──果たして、メアリーにとっての本当の幸せは?
悩めるフランクには、メアリーの母である亡き姉から託された“ある秘密”があった──。
『(500)日のサマー』でセンセーショナルなデビューを飾ったマーク・ウェブ監督が、チャーミングな映像と心に響くセリフで、“自らの手で作る家族”の素晴らしさを描く感動作。
数学に秀でた才能を持つ7歳の少女メアリー(マッケナ・グレイス)と、メアリーを代理で養育する叔父のフランク(クリス・エヴァンス)を中心に彼らを取り巻く家族の物語。
クリス・エヴァンスといえば「キャプテン・アメリカ」や「アベンジャーズ」シリーズのイメージが強いハリウッド・アイコンの一人。
今回は世界を救わずに、家族を救おうと悩み、つまづき、失敗を繰り返しながらも、男手一つで姪を育てる人間味あふれる独身男を演じた。
メアリーの実母である数学者の姉を救えなかった後悔や、母親との確執、姪への責任感と揺れる男の心模様を繊細に表現している。
7歳のメアリーを演じた、マッケナ・グレイス(11歳)は、大人びた視線で熱く叔父のフランクを見つめる。その様子はフランクに恋する女性のようにも見えた。
メアリーは魅力的な笑顔に、くるくる変わる愛らしい表情、子供らしくない振る舞いをしながらも、天才数学脳を持っている。
フランクの亡くなった姉のダイアンは天才数学者だったが、問題を抱え幼いメアリーを残して自殺してしまう。
それからフランクは、メアリー引き取り、実の母に見つからないよう、ひっそりと暮らしていた。
メアリーは7歳になり、姉ダイアンの普通に育てたいという遺志により、嫌々ながらも地元の小学校に入るのだが…
算数の授業で、あまりにも簡単過ぎる問題に「マジで…?」とイラついて問題を答えるメアリー。担任の先生の複雑な問題を、可愛げなく正確に答えてしまう。
フランクの子供らしくという忠告を無視し、他の子よりも抜きに出た数学の才能を披露し、周囲を驚かせるメアリー。
その話しぶりも7歳とは思えず、年上の子を殴るなど感情の激しさを持ちながら、時としてクラスの子を褒め称えるなど、まるで先生のようなリーダーシップも見せてくれる。
その結果、小学校の校長からはギフテッドスクールでの英才教育を勧められるが、それがキッカケでフランクと対立する母のイブリンに見つかり、養育権を賭けた裁判へと発展していくのだった。
アメリカではファミリー・メロドラマのジャンルとしてヒットしたこの映画。ギフテッド教育の盛んなアメリカやカナダでは、あり得る話しなのかもしれない。
この映画を観た率直な感想は、7歳にして大学生も解けない方程式を、スラスラと解いてしまうことに喜びを感じる子供よりも、1+1から周囲と一緒に成長できる方が子供としてはより幸せだと思う。
姉の普通では無かった人生を悔いるフランク。
メアリーの才能を利用する欲求の強い母イブリン。
数学の問題を解くことが、外で遊ぶことよりも好きなメアリー。
それぞれの思いが交差する中、ついにフランクはある行動へ出るのだったー。
やはり普通にお水が飲めて、普通に暮らせて、家族が健康であることが一番の幸せなんだろうな…と幸せの定義を考えさせられる、そんな映画でした。
【スタッフ】監督:マーク・ウェブ
【キャスト】クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、リンゼイ・ダンカン、ジェニー・スレイト、オクタヴィア・スペンサー
原題・英題: GIFTED
2017年11月23日(木・祝) 全国ロードショー
上映時間:101分
20世紀フォックス映画
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