北野武監督が手掛ける唯一のシリーズプロジェクト――〈全員悪人〉を合言葉に、裏社会の男たちの仁義なき抗争 を描いた究極のバイオレンス・エンターテイメント。この熱狂的に支持される人気シリーズ『アウトレイジ』が、第3作にし て最終章を迎える。
主人公はビートたけし扮する元大友組・組長の大友。過去の熾烈な抗争の果てに、日本の組織から距離を置く大 友は、韓国・済州島に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長の下に身を寄せていた。そんな折、取引の為韓国滞在中 の【花菱会】幹部・花田が、大友が取り仕切るシマでトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。緊張の度合いを 高める、国際的フィクサー【張グループ】と巨大暴力団組織【花菱会】。これに乗じて勃発する【花菱会】内部の覇権争 い。事態は張会長襲撃にまで発展してしまう。混迷を極める状況に痺れを切らした大友は、全ての因縁に決着をつけ るべく、ついに日本に戻ってくる。
シリーズ第1作『アウトレイジ』(2010 年)では、関東最大の暴力団【山王会】配下の下剋上サバイバルが繰り広げら れた。第2作『アウトレイジ ビヨンド』(2012 年)では、関東【山王会】 vs 関西【花菱会】の巨大抗争が展開。その結果、 花菱会は勢力を拡大し、山王会は一気に弱小組織として隅に追いやられた。最終章では、抗争の舞台はシリーズ最 大スケールとなる日本と韓国で展開。ほんの些細な揉めごとをきっかけに、国際的フィクサーと関西の花菱会が緊張 関係に陥る。その対立に便乗するかのように、花菱会内部の権力争いが巻き起こる。花菱会トップの座をめぐって、
新会長 vs 古参幹部との卑劣な駆け引きが交錯。権力争いの真っ只中に飛び込んでいく昔気質の大友。彼は張会 長への恩義と自らのケジメをつけるため、周りの思惑などお構いなしで突っ走っていく。本作はこの“暴走”と、その裏 にある“悲哀”を重厚に描いた、シリーズの集大成である。
キャストには日本を代表する“豪華強面”の男たちが集結した。大友を慕う市川役の大森南朋、花菱会・花田役の ピエール瀧、同・若頭補佐・森島役の岸部一徳、花菱会新会長・野村役の大杉漣、花田の手下・丸山役の原田泰造、 山王会系木村組・吉岡役の池内博之、張会長の側近・崔役の津田寛治らがシリーズ初参戦。前作に続き、ビートたけ し(大友役)、西田敏行(花菱会・西野役)、塩見三省(花菱会・中田役)、金田時男(張会長役)、白竜(張会長の側 近・李役)、名高達男(山王会・白山役)、光石研(山王会・五味役)、中村育二(警視庁・平山役)、松重豊(警視庁・繁 田役)らが入り乱れる。
前作から 5 年。ついに全面戦争勃発!!
《関東【山王会】vs 関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、 日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた。そんな折、取引のため韓国滞在 中の【花菱会】幹部・花田(ピエール瀧)がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してし まう。これをきっかけに、《国際的フィクサー【張グループ】vs 巨大暴力団組織【花菱 会】》一触即発の状態に。激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻って くる。時を同じくして、その【花菱会】では卑劣な内紛が勃発していた……。
裏社会に生きる男たちの、仁義なき抗争を描いた大ヒットシリーズが、3作目にして最 終章を迎える。抗争の舞台はシリーズ最大スケールの日本と韓国で展開。些細なトラブ ルをきっかけに、過去を清算する機会をうかがう大友と、花菱会トップの座をめぐる幹 部らの“暴走”がはじまり、【張グループ】【花菱会】【山王会】【警察】が入り乱れる“全 員暴走”の全面戦争へと突入。
《怒号》《大金》《銃弾》が飛び交い、《裏切り》《駆け引き》《騙し合い》が連続する、ア ウトレイジ(極悪非道)たちの全面戦争!果たしてどんな決着をみせるのか ?
“全員暴走“
まさにそのキャッチコピー通りの映画だ。
事の始めは 日本最大勢力となった暴力団組織【花菱会】の直参幹部 花田によるお遊びが過ぎてのトラブルだった。
そこから次第にそれぞれの私欲・恩義・筋目など様々な感情が混ざり合い抗争は一気にエスカレート!
日本と韓国という大スケールで展開されるアウトレイジたちの全面戦争に、観ている側もついつい力が入ってしまう。
それにしても、いつの間にピエール瀧はこんなにも存在感のある役者になったのか。
強烈なインパクトを与えた『凶悪』での怪演しかり、この作品『アウトレイジ 最終章』でもまるで本人そのものなのではないかと思わせる程 花田役がハマっていた。
これらの様なぶっ飛んだ役もこなしつつ、穏やかで優しいお父さんもサラっと演じるのだから驚いてしまう。
愛すべきテクノバンド電気グルーヴのメンバーとしてのピエール瀧もそうだが、彼のそのつかみどころのない(むしろつかんではいけない)キャラクターは日本映画界に欠かせない存在になっているのではないだろうか。
無論、『アウトレイジ』と言えばビートたけしは欠かせない。
何を隠そう今作での最大の暴走者はビートたけし演じる大友だろう。
そして大友と市川の人間味のあるやりとりと狂気的な銃撃シーンという緩急自在の演技も印象に残る。
残忍な殺し方が話題になるこの映画だが、よりエスカレートしたものを観たくなる人間の心理としてもこの一区切りはちょうど良いタイミングのように思う。
ヤクザやスパイやマフィアなどの映画好きや北野信者には勿論なのだが、どことなく哀しみも感じさせる今作は過去2作を観た事が無い人にも薦めたい人間ドラマだ。
監督・脚本・編集:北野 武
音楽:鈴木慶一
配給:ワーナー・ブラザース映画
2017 年/カラー/シネマスコープ/1 時間 44 分
オフィシャルサイト
©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会