第89回(2017年)アカデミー賞主演男優賞、脚本賞受賞!『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
マット・デイモンがプロデューサーを務め、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたケネス・ロナーガンが監督・脚本を務めた珠玉の人間ドラマ。
ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへ戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていくー。
ボストンの北部にある片田舎、マンチェスター・バイ・ザ・シー。車でボストンから40分くらいの位置にある。この映画は北米ではAmazonが配給権を持ち、劇場公開とストリーミング
主人公のリー・チャンドラーはボストンで一人、便利屋として生計を立てていた。愛想が無く他人と上手に付き合うことができないリーだが、それには重大な理由があった。
ある日、ボストン北部のマンチェスター・バイ・ザ・シーに住む兄のジョーの訃報を聞き、故郷へと戻ることに。しかし街には、リーが持つ大きな過去のトラウマが存在していた。
物語は現在のリーと、過去(10年くらい前)のリーが登場し、リーが封印していた過去の記憶を少しずつ呼び戻し、現在と過去の回想シーンが物語で深く交差していく。
リーと甥で高校生のパトリック(16歳)、彼らの互いに打ち解けられない重苦しい空気や、リーがパトリックの後見人を任されたこと、そしてリーの過去との対峙がストーリーの中心となっている。
普通に暮らす人達の、ごく普通の人間ドラマがこの映画の中では、あたかも生きているように感じられた。そして私はリーの重大な過去を知り泣いてしまった。
完璧に生きることは難しい。けれども複雑な感情や過去への思いを、少しずつでも精算し許し合うことで、善い方向へと変わることが必要と映画の中で気づかされた。
派手なエンタテイメント作品ではないが、リーと甥のパトリックそれぞれの再生が伝わり、何度も大きな感動を得た。
かけがえの無い人を信じることができない日々が続いていた、しかしこの映画を観て背中を押された気持ちになった。観る者の心に疑問と答えを投げかけてくれる素敵な映画、是非ハンカチを用意して観てほしい。
原題・英題
Manchester by the Sea
監督・脚本:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード
2016年/アメリカ/137分/ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ
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