その悲劇もきっと明日は喜劇になる!旧友との再会は、新たな大騒動への幕開けだった!?周造(橋爪功)と富子(吉行和子)との離婚騒動から数年――。周造はマイカーでの気ままな外出をささやかな楽しみにしていたが、車に凹み傷が目立ち始めていた。高齢者の危険運転を心配した家族は、運転免許を返上させることを画策する。しかし、頑固オヤジをいったい誰が説得するのか!?
嫌な役回りを兄妹夫婦でなすりつけ合ううちに、平田家はまたもや不穏な空気に包まれていく―。そして土曜日、周造の免許返上問題を話し合う家族会議が開かれることになり、例のごとく召集された平田家の兄妹夫婦たち。
だが、家族会議は一転し事態は思わぬ方向に…果たして平田家は再び平穏な日常を取り戻すことができるのか!?
無縁社会という、現代日本では実に深刻なテーマを扱いながら、よくここまでコミカルに軽妙に描けるものだ!と改めて山田洋次監督の才能に感心させられてしまう。恐ろしき84歳だ。
この作品観る側にとっては、なんとも身に摘まされる。平田家と言う「家族」が主人公だからではないか。何処にでもある、ごくありふれた家族に起きる様々な問題や事件に、家族一人一人がどう向き合っていくべきかを、それぞれの立場で足掻いているからだろう。どこかで面倒臭いと思いながらも、家族の一員としての責任を果たしていく姿に共感出来たり、また反感を抱いたりするからだろう。ともかく、身に摘まされた。
周造(橋爪功)の老いてますます奔放に振る舞う嫌われぶり。庄太(妻夫木聡)の物静かで弱々しい次男坊の哀愁。(丸太吟平)小林稔侍の転落した男の孤独で悲しい人生。どれもが深く胸に残るいい作品だ。
また続編をと言いたくなるが、こちらがおもんばかるほど、山田監督は衰えていない。「死」をも笑いにしてしまうほどの、並外れたエネルギーを感じる作品だ。
映画『家族はつらいよ2』 2017年5月27日(土)全国ロードショー
・原作・監督:山田洋次
・脚本:山田洋次 平松恵美子
・音楽:久石譲
制作・配給:松竹株式会社 制作プロダクション:松竹撮影所 東京スタジオ
公式サイト:http://kazoku-tsuraiyo.jp/
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