決して、もう二度と。せめて、もう一度。
2014年夏に放送された連続ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』。
平日昼間に夫以外の別の男性と恋に落ちる主婦のことを指す造語「平日昼顔妻」をテーマにした、道ならぬ恋に人生を狂わせてしまった女性を描いたドラマ「昼顔」はその年の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象にまでなりました。
「昼顔」衝撃の結末
決して出会ってはいけない二人の、
運命の歯車が動き出す――
主人公・紗和を演じる上戸彩にとって、まさに代表作となった「昼顔」。女優として更なる新境地を開くべく、この映画化に並々ならぬ覚悟で挑みます。紗和と愛し合う北野を演じるのは、ドラマでの熱演が話題となった斎藤工。北野の妻・乃里子を演じる伊藤歩や、紗和の勤めるレストランのオーナー役で今回初登場となる平山浩行が出演します。
メガホンをとるのは、『容疑者Xの献身』(08年)『任侠ヘルパー』(12年)『真夏の方程式』(13年)など数々の作品でその演出力を高く評価された西谷弘。さらに井上由美子が脚本を手掛け、音楽を菅野祐悟が担当します。
『昼顔』の叙情的な世界感を映画ならではの美しい映像と音楽、深く綿密に紡がれた物語のカタルシスで描き出します。
問題作となり、社会現象となった「昼顔」。
平日午後3時の恋人たちがスクリーンでめくるめく「純愛」を繰り広げます。
出逢ってはいけない二人が迎える衝撃の結末とは―。
お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった木下紗和と北野裕一郎。
その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに2人は別れざる得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。
あれから3年――
紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。オーナーの杉崎尚人が営むレストランでのアルバイトと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。
一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。
講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。そこには、紗和の姿があった。
「神様、私を試しているのでしょうか」
運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。
そんな中、二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった……。
テレビで『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』を観たことが無かったので、話についていけるか自信は無かったが、3年前に不倫がバレて別れさせられたカップルの、その後のストーリーと聞きブルーな気持ちになる。
予想通りの苦しい展開。愛し愛されているのに、夫婦という紙切れ一枚の契約故に逢うことが出来なかった紗和と北野の3年間。
離婚した紗和(上戸彩)はひとり孤独な人生を送っていた。ふとした場所で過去の不倫相手だった北野(斎藤工)と再会し、禁断の恋に逆戻りしていく。
『彼の事を愛することができないのであれば、いっそ死んでくれればいい…そしたらもう愛さなくても済むから』と、北野を呪うように考えたこともあった紗和。
辛くて苦しい恋愛、誰れにでも経験はあるだろう。
女性目線で共感できる『昼顔』は、優しすぎる男・北野の優柔不断さと応用能力に欠ける性格に私はイライラした。
また浮気するのなら、妻にはバレないように潜めるように逢瀬を続ければいいのに…と不器用な北野には全く共感できない。
恋愛や結婚生活でパートナーに平気で嘘をついたり、裏切ったあげく隠れての浮気…
愛すると誓ったパートナーの人生を翻弄し、かつては愛した相手の心に大きなトラウマを与えた人々の人生の末路を、映画の中に垣間見た。
もし、あなたがパートナーの人生を深く傷つけた経験があるとすれば、そのカルマ(業)は必ず己に戻るだろう。
いつかは違う形でペイバックしなくてはならない。
映画『昼顔』はそう語っているように感じた。
複雑な心境で鑑賞し不覚にも泣いてしまった。
観る者の立ち位置によっては、北野の妻・乃里子に共感するし、紗和にも共感できる、残酷なストーリーである。
監督:西谷弘
脚本:井上由美子
音楽:菅野祐悟
公開日:2017年6月10日
全国東宝系にてロードショー
公式サイト: http://hirugao.jp/
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