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「青空エール」札幌が舞台 土屋太鳳・竹内涼真主演 作品レビュー

「君に届け」「ストロボ・エッジ」「アオハライド」など、数々の大人気漫画を生み出している連載誌「別冊マーガレット」。その中でもこれまで「高校デビュー」「俺物語!!」などの傑作を生み出してきたヒットメーカー・河原和音の代表作「青空エール」は、2008年の連載開始当初から≪高校生活やりなおしたい・・≫≪涙でページがめくれない・・≫と読者の心をつかみ続け累計発行部数340万部を突破。2015年に堂々のフィナーレを迎え、今まさに“青空ロス”を嘆くファンがいるほどの青春マンガの大本命が実写映画として届きます。

 

ストーリー

誓ったふたりの夢
かわした約束
こんなふうに好きになるって思わなかった

ブラスバンドの応援に憧れる小野つばさは、吹奏楽部の名門・白翔高校に入学する。だが、トランペット初心者のつばさ。レベルの高い猛練習についていけず、何度も挫折しそうになる。そんなつばさを勇気づけてくれたのが、クラスメートで野球部員の山田大介。お互い夢に向かって励まし合うふたりは、ある「約束」をかわす。それは、いつか甲子園に大介が出場し、アルプススタンドでつばさがトランペットで応援すること。いつの間にかつばさには、大介へのほのかな想いが芽生えていた。1年生の夏、地区予選の決勝まで勝ち進んだ野球部を、吹奏楽部が応援することに。ところが途中出場した大介のミスで惜しくも敗退。グラウンドで立ち尽くす大介のために、つばさは一人でトランペットを吹いてしまう。謹慎処分となったつばさを心配して訪ねて来た大介。ふくらむ気持ちを抑えきれずに、つばさは大介に「好きっていったら困る?」と告白してしまう。・・・・つばさと大介の恋の行方は?そして、ふたりの夢のたどりつく先は?

壁にぶつかっても、大切な仲間たちと支えあい、一心不乱に前に進む。
大好きなあの人にきっとエールを送りたくなる
ひたむきな「青春」ストーリーが夏の空に鳴り響く―。

 

作品レビュー

札幌白翔高校の吹奏楽部と野球部、三年間の部活と恋愛。

札幌市民の私はそれだけで目頭が熱くなった。物語のモデルは札幌白石高校の吹奏楽部。全国大会出場常連の名門吹奏楽部がある公立高校。

吹奏楽部の部室と楽器の配置は白石高校の部室を忠実に再現し、部室の壁の写真は白石高校から借りてきたとのこと。全国レベルの吹奏楽部をよく知らない役者たちに雰囲気をつかんでもらうための配慮らしい。

劇中に登場する医療施設名が野幌総合医療センター(江別市だが実在はしない)と、札幌近郊に住む者にはアッ!と思うツボが散りばめられている。

ロケ地は残念ながら札幌では無いが、札幌の夏をイメージするような雰囲気が感じられ、夏の甲子園予選の試合風景は札幌円山球場での南北海道大会そのもの。

高校の吹奏楽部や、コンクール、そして夏の甲子園予選大会をよく知っている私には、泣けるポイントがたくさんあり、鑑賞後は感動で涙があふれてきた。

単なる高校生の恋愛物語ではない。生徒たちが励まし合い目標に向かって成長する姿は本当に美しい。

原作の河原和音「青空エール」を読んで吹奏楽を始めた方も少なくないだろう。

映画「スウィング・ガールズ」でテナーサックスを演奏していた、上野樹里が顧問の教師として登場。

NHKの朝の連続ドラマ「まれ」でまれの弟を演じた葉山奨之が、この作品では吹奏楽部の仲間を演じており、製作側のかゆい処に手が届くような配慮がキャストに反映され拍手したい気持ちになる。

札幌や近郊の市民にはグッとくる素敵で感動がいっぱい。おススメの映画です。 

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出演: 土屋太鳳 竹内涼真 葉山奨之 堀井新太 小島藤子 松井愛莉 平 祐奈 山田裕貴/志田未来/上野樹里 ほか

原作:河原和音「青空エール」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:三木孝浩(みきたかひろ)
脚本:持地佑季子

(C)2016 映画「青空エール」製作委員会
(C)河原和音/集英社

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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