日本警察史上最大の不祥事。いったい奴らは何をしたのか!?
<日本警察史上最大の不祥事>と呼ばれる実際におこった驚愕の事件をモチーフに、北海道警察・刑事の壮絶な26年間を描きます。主演を務めるのは、綾野剛。
“S(エス)”と呼ぶ裏社会のスパイを率い、ありとあらゆる悪事に手を染めた警察官・諸星要一の半生を演じています。諸星を慕う“S”を、暴力団幹部・黒岩役に中村獅童、クスリの運び屋・太郎役にYOUNG DAIS、盗難車バイヤー・ラシード役に植野行雄(デニス)らが演じ、諸星の先輩刑事・村井役をピエール瀧 が演じるなど豪華出演陣が集いました。
監督は、映画『凶悪』(13)で国内の各映画賞を総ナメにした白石和彌が務め、日本一ワルな警察官と裏社会のワルたちのタッグが巻き起こす”ヤバすぎる事件”を
エンターテイメントとして描いています。「正義の味方、悪を絶つ」の信念の元、規格外の捜査をまっとうしていく諸星が行き着く先は―
大学時代に馴らした柔道。その腕っ節の強さを買われ、北海道警・刑事となった諸星要一。強い正義感を持ちながらも、うだつの上がらない日々を過ごしていた。ある日、署内随一の敏腕刑事・村井から刑事の“イロハ”を叩き込まれる。それは「刑事は点数。点数稼ぐには裏社会に飛び込み、S(スパイ)をつくれ」というものであった。言われるがままに“S”を率い、「正義の味方、悪を絶つ」の信念の元、規格外のヤバすぎる捜査をまっとうしていく諸星だが―。
「稲葉事件」とは?
2002年7月、北海道警察の生活安全特別捜査隊班長である稲葉圭昭警部が、覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で逮捕、有罪判決を受けた。公判において、単純な犯罪ではなく、北海道警察による「やらせ捜査」や「銃刀法違反偽証」などの不祥事が明るみに出るとともに、北海道警裏金事件が2003年に発覚するきっかけともなった。日本警察史上、最大の不祥事が明るみになった事件である。
2002年、テレビのニュースで道警の稲葉圭昭警部が逮捕されたことを知った。その後連日のようにマスコミが道警の裏金問題を報道していたのをよく覚えている。
それ以前のニュースでは何故か全国的にコインロッカーで拳銃が相次いで見つかり、てっきり元暴力団が処理に困ってロッカーに預けて放置したものと推測していたし、確かそのように報道されていたと思う。
小樽港ではロシア人が拳銃所持で逮捕されたのもこの頃。映画の中では過去にあった実際の事件を浮上させ、謎を解く感覚で鑑賞することができた。
稲葉圭昭元警部が起訴され、彼の関係者が不穏な死を遂げ、さらに裏金問題は明るみに出ず、北海道警察の汚いイメージは払拭されないまま時が経過。
稲葉元警部が受刑者となり、2011年には刑期を終え出所、その後の著書が『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』である。
彼が何故悪に転じ、道警のために身を挺してきたのかがよく理解できた。つじつまの合わない道警の不正問題が本作で明るみになったと言っても過言ではない。
2002年当時の道警で稲葉警部の関係者たちは、現在はどうしているのだろうか?まだ道警勤務なのか?とっくに天下りをしているのか?
常識では有り得ない、悪を持って正義を作り上げてきた道警の嘘の姿勢は今も続いているのか?と疑問を持つ。
北海道警察関係者ならびに道民、そして日本中の方に一体何があったのか確かめてほしい、日本警察史上最大の不祥事だ。
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