かっこいいから地獄へ落ちた!? 「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」
どこにでもいる普通の高校生・大助は、本当にイマドキの高校生。
同級生のひろ美ちゃんのことが好きな大助は、ひろ美ちゃんの気を引くために試行錯誤し、修学旅行のバス座席で彼女の隣をゲットするのだが、不慮の事故からバスが崖から転落。
目が覚めたらそこはなんと地獄……
まだキスしたこともないのに!
死ぬことすら受け入れられていない大助を待ち受けるのは、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)のボーカル兼ギターのキラーK。
キラーKが言うには、地獄には輪廻転生があり、えんま様の裁きによって、なんと人間に転生できるかもしれない。
しかし転生のチャンスは7回まで。
まず初めに目に付くのが、神木隆之介演じる大助のダサい髪型とイラっとするような喋り方。
バカでどうしようもなくて男子高校生ってこんな感じなのだろうな、というのを忠実に演じている。
そして地獄へ落ちた先で出会うのは、これがあの長瀬智也?と疑いたくなるような鬼メイクを施した長瀬智也演じるキラーK。
主題歌にもある通り、キラーKの手はジミヘンとカート・コバーンで、声は忌野清志郎だというのだから驚きだ。
長瀬智也だけじゃなく、地獄図(ヘルズ)のドラマーCOZY演じる桐谷健太も、顔じゃ判別できないので声でやっと理解したほどに、地獄のキャラクターに見事に変身している。監督の宮藤官九郎の夢と希望がたくさん詰まった、地獄というよりはロックやヘヴィメタの聖地のよう。
それもそのはず、出てくる鬼ミュージシャン達が、やっぱり鬼すごいのだ!
野村義男、Char、ROLLY、マーティ・フリードマンらがギターをかき鳴らし、木村充揮がその歌声を轟かす。
俳優陣だって負けていない。皆川猿時演じる・じゅん子は、インパクトがありすぎるのだが、劇中で一番チャーミングで面白い。
大助と対立するじゅん子が率いるのはガールズバンド「デビルハラスメント」なのだが、じゅん子の圧倒的センター感はさすがとしか言いようがない。
そして現世で大助が通うスタジオの横にあるクレープ屋を営む通称・死神こと尾野真千子が、恋人に寄り添いながら囁く台詞なんて、とても可笑しかったポイントの一つ。
他にもこんなに豪華なのってあり!?ってくらい、ちょっとした脇役にまで多彩なキャストが演じている。
思わず声を出して笑ってしまうような場面も多い中、生きるとはなんだろう、とついつい考えてしまうような深い内容。
自分が、誰かのために存在している。生きてるだけで、楽しいんだ!
何回だって見たくなるし何回だって聞きたくなる、クドカンワールド爆発の「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」
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2016年1月14日に札幌市南区の東海大四高校で通年行われている、社会人を招いた授業「キャリア教育実習会」で、宮藤官九郎監督が登壇しゲストとして長瀬智也さん、神木隆之介さんがサプライズで現れました。
長瀬智也 神木隆之介 尾野真千子 森川葵 桐谷健太 清野菜名 古舘寛治 皆川猿時 シシド・カフカ 清 古田新太 宮沢りえ
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