疑惑だらけの裁判に挑む弁護士役としてキアヌ・リーブスがレニー・ゼルウィガーと共演するミステリー
ある大物弁護士の男が自宅で刺し殺される事件が発生する。容疑者として逮捕されたのは、被害者の息子である10代の少年だった。少年の弁護を引き受けたのは、この家族と付き合いのある敏腕弁護士ラムゼイ(キアヌ・リーブス)。誰にも心を開かず、黙秘を続ける少年だったが、裁判は開廷される。遺体を検死した検視官、被害者の妻への暴力を目撃した隣人、事件の動機となったと思われる旅行での親子の様子を知るキャビンアテンダントら様々な証人が法廷に立ち、証言をしていく。だが、どの証言もどこか違和感を感じさせるものばかりだった。やがて、少年の証人喚問の日が訪れるが、その口から語られたのは、驚くべき告白だった。暗闇の先に待ち受ける衝撃のラストとは―?
映画の冒頭は父親殺しの容疑をかけられた少年の逮捕。しかし少年は本当に犯人か?やっぱり違うんじゃないか?と、ミステリーらしく犯人を探したくなるフラグが、いたる箇所に散りばめられている。
本編はキアヌ演じる敏腕弁護士が、親しい先輩で裕福な弁護士が殺害された事件を担当し、その容疑者となった息子を弁護するのだが、自白・証拠・証言が嘘まみれの上、周囲の誰もが怪しく見えてくる。
一番驚くのは少年の母親役を、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『シカゴ』で一世風靡した、レニー・ゼルヴィガーが演じており、かつてのポッチャリした可愛らしい面影は無く、全く誰だか判らないくらいに容姿が変貌してしまい、殺害された夫の淋しげな妻役がピッタリであった。
ブリジット・ジョーンズの続編となる、Bridget Jones’s Babyが公開されるので、2016年は痩せたり太ったりのレニーを再び楽しむことができる。
アクション映画以外は最近珍しいキアヌ・リーブスの敏腕弁護士役は、スーツ姿がキマっていてキアヌっぽく無いのが逆に素敵。
本編は94分と短めでテンポ良く進み、次々に明るみとなる事実に驚きつながらも、ラスト11分でストーリーの根底から覆ってしまうという衝撃の結末に期待してほしい。
『砂上の法廷』
Photo Credit: Alan Markfield Copyright: “Whole Truth Productions, LLC”