第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美(『屍鬼』「十二国記」シリーズなど)の小説『残穢』(ざんえ)を、ミステリーの名手・中村義洋監督(『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』)が映画化。予定調和を許さない驚愕のラストまで、かた時も目が離せない。小野自信を彷彿とさせる主人公「私」には、人気実力派女優=竹内結子。
「私」とともに調査を重ねる「久保さん」には、神秘的な魅力を放つ女優=橋本愛。初共演の2人に加え、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一ら個性的な出演陣が集結。
ここに、いまだかつて見たことがない戦慄のリアルミステリーが誕生する。
その「音」を聞くまでは、日常でした―――
小説家である「私」のもとに、女子大生の久保さんという読者から、1通の手紙が届く。
「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。彼らは、なぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。
邦画のホラー映画の試写会と聞き、ホラーが大の苦手な私(ライター全員、ホラーが苦手である)は、当然観に行かないはずが、残穢は何だか気になった。
ホラーっぽくない…むしろミステリー・サスペンスの要素たっぷりと、事件の謎を解いていく展開は得意の分野である。
残穢を観た結果は、…私には霊感が無いので、ホラー要素的な怖さは試写中は実感できず。
ある程度経験のある方(霊感のある方)には、たまらなく怖いだろうと思ったが…
しかし、夜中電気を消した部屋に何かがいるような妄想と、得体の知れない恐怖感に数日取り憑かれてしまったようだ。
そう!この映画は後でジワジワくる、観終わった後で怖いのが「残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―」。
ドーンと死霊がキャストを襲うわけでも無く、穏やかにストーリーは進むのだが、ある意味ドキュメンタリーのような手法は心に残ってしまう。
主人公の小説家は、原作の小野不由美さん本人で、ストーリーも実際にあった事件という噂があり……
無念に亡くなってしまった方々には申し訳ないが、穢れの気持ちを鎮魂させて早く浄化してほしいと願うばかりである。
(c)2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会