ビジネスの現場で経営者が強いられる壮絶な危機を、圧倒的クオリティと息もつかせぬ緊迫感で描き、本年度映画賞を席巻した本作。監督は『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』のJ・C・チャンダー。主演はゴールデン・グローブ賞ノミネート経験を持つ、実力派オスカー・アイザック。さらに、アカデミー賞に2度ノミネートされたジェシカ・チャステイン、ゴールデン・グローブ賞ノミネート、デヴィッド・オイェロウォが競演。その実力への評価が今まさに最高潮を迎える才能たちが、40もの映画賞にノミネートされるという栄誉を分かち合った。「正しい道を行くこと」が信条の男に迫られる苦渋の選択。成功か破滅か、白か黒か、緊迫の駆け引きとリアルな葛藤が、観る物に「本当の成功とは何か?」を突きつける社会派ヒューマンドラマの傑作が生まれた。
1981年、NY。犯罪と暴力が氾濫するこの年に生き馬の目を抜くオイル業界で、クリーンなビジネスを信条にオイルカンパニーを築きあげた移民のアベルをその妻アナ。事業拡大のための土地購入の頭金として全財産を投入した直後、彼の成功を阻止しようとする何者かの手によって、集荷のオイルの強奪、脱税の嫌疑、家族への脅威・・・次々にトラブルがのしかかる。悪い噂は一気に広まり、ついに銀行から融資を断られ、信頼していた妻との間にも亀裂が。刻一刻と破産が迫るなか、孤立無援のアベルはトラブル解決のために奔走する。期限はわずか30日―。
A Most Violent Year が原題。 最も暴力的なニューヨークの1981年を意味している。
最も犯罪が多発した危険な1981年のニューヨークを再現した『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』 冒頭の集荷オイル強奪シーンがショッキング。当時のニューヨークなら有り得る犯罪である。
オイルビジネスは巨大なマネーを生みながら、ライバル会社との激しいビジネス攻防と、そして会社にかかる脱税容疑。 主人公アベルが、事業拡大のための土地代金支払いリミットは30日間。
その間のストレスフルなストーリーは、観客に緊張感を与えながら展開していく。
誰が信用できて、誰が悪なのか?…オイル強奪の黒幕が判らないまま、高潔と正義を信じるアベルの決意とは―?
オバマ大統領御用達の仕立屋のスーツと、アルマーニの高級コートに身を包む、アベルと妻のアナの衣装が1981年当時のニューヨークを表現している。
この時代のニューヨークであれば、マフィアが絡むストーリーなのか?と思いきや、J・C・チャンダー監督の意図は<上品で洗練された荒廃>オイルビジネスの中のグレーゾーンに生まれる、真の人間の物語にこだわったドラマである。
キャスト: オスカー・アイザック/ジェシカ・チャステイン/デヴィッド・オイェロウォ
監督脚本: J・C・チャンダー
© 2014 PM/IN Finance. LLC.
——————————————-
A Most Violent Year
A MOST VIOLENT YEAR is a searing crime thriller set in New York City during the winter of 1981, statistically the most dangerous year in the city’s history. From acclaimed writer/director J.C. Chandor, and starring Oscar Isaac (INSIDE LLEWYN DAVIS) and Jessica Chastain (ZERO DARK THIRTY), this gripping story plays out within a maze of rampant political and industry corruption plaguing the streets of a city in decay. J.C. Chandor’s third feature examines one immigrant’s determined climb up amorally crooked ladder, where simmering rivalries and unprovoked attacks threaten his business, family, and – above all – his own unwavering belief in the righteousness of his path. With A MOST VIOLENT YEAR, Chandor journeys in a bold new direction, toward the place where best intentions yield to raw instinct, and where we are most vulnerable to compromise what we know to be right.