なんどもやめようと思った、でも歩き続けた。人生とおんなじだ。
気軽な山歩きの経験すらないのに、何のトレーニングもせず、1600キロ踏破に挑んだ女性がいる。
アメリカ西海岸を南北に縦断する自然歩道パシフィック・クレスト・トレイルという過酷なコースを歩いたシェリル・ストレイドだ。
彼女がその途方もない体験をまとめ、世界を驚きと称賛で包んだベストセラーの映画化が実現した。
なぜ、彼女は歩いたのか?物語と共に明かされるのは、愛する人を失った悲しみからのどん底の日々。
美しくも厳しい大自然のなかで、彼女が本当の自分と出会うまでを描き、観る者にどんな逆境の中でも前に進むパワーをくれる感動作が誕生した。
主人公シェリルには『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のリース・ウィザースプーンが体当たりの熱演をしている。
スタートしてすぐに「バカなことをした」と後悔するシェリル。
今日から一人で砂漠と山道を歩くのだが、詰め込みすぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗し、コンロの燃料を間違ったせいで冷たい粥しか食べられない。 この旅を思い立った時、シェリルは最低の日々を送っていた。
どんなに辛い境遇でもいつも人生を楽しんでいた母の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れていた。遂に結婚生活も破綻、このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、1から出直すと決めたのだ。だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山、 酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物は底をつくなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの道のりで見たものとは?
ストーリーの冒頭は、シェリルが荷造りするシーンから始まる。シェリルの体重と同じくらいの重さのバックパックを無謀にも背負うことに格闘し、ハイキングをスタートしても後悔の連続。
テントの組み立てに四苦八苦し、コンロの燃料を間違い食事もままならない。
時折シェリルの過去への回想シーンがストーリーに織り交ざる。
1600キロを歩き抜ける精神状態ではないシェリルが、忌々しい過去に向き合い、最愛の母への愛しみと結婚生活での後悔、そして孤独と極限の中で自分探し。
母を亡くした喪失感やドラッグと浮気に溺れていた日々。辛い過去を塗り替えるハイキングでの試練の連続。
大自然からの学びと調和で彼女自身の変化が見どころ。
記者も最愛の母を亡くしたばかりで、シェリルの母への深い愛情と哀しみに共感して涙が溢れた。
シェリルと共にに泣きながら、彼女の過酷なハイキングを応援したくなってしまう・・・・・。
贅沢に旅をする、女性好みの甘い自分探し映画ではない。
過去を精算するストイックな気持ちで自然に望み、そこで得た自然のパワーに導かれた答えとは一体何だろうか?
『わたしに会うまでの 1600キロ』 女性は必見の映画です。
公開日:2015年8月28日(金) シアターキノで公開 (函館シネマアイリス 10月公開)
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
脚本:ニック・ホーンビィ
原作:シェリル・ストレイド
撮影:イヴ・ベランジェ
音楽:スーザン・ジェイコブス
キャスト:リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、トーマス・サドスキーほか
Wild
Academy Award® winner Reese Witherspoon stars in this inspirational true story from the director of Dallas Buyers Club and based on the best-selling book. After years of reckless behavior, Cheryl makes a rash decision to hike more than a thousand miles with absolutely no experience — in what becomes a remarkable journey of self-discovery and redemption that strengthens and ultimately heals her.
上映時間 116分 製作年 2014年 製作国 アメリカ 映倫区分 R15+ 配給 20世紀フォックス映画 公式サイト 受賞歴 第87回アカデミー賞(2015年) 第72回ゴールデングローブ賞(2015年)
© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.