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『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』11/15公開 作品レビュー

作品紹介

約25年前、高名な映画監督リドリー・スコットは、世界中で4億6500万ドル以上を稼ぎ出し、2000年に第2位の興行収入を記録した歴史大作『グラディエーター』で、愛すべき映画ジャンルを活性化させ、再発明した。
主演のラッセル・クロウを世界的スターダムに押し上げた『グラディエーター』は、アカデミー賞®12部門にノミネートされ、作品賞を含む5部門を受賞した。それから20年後、『グラディエーターII英雄を呼ぶ声』で、再び英雄的戦士が強さと名誉の名の下にローマ帝国の力に立ち向かう!

ストーリー

ローマ帝国が栄華を誇った時代――。
平穏な暮らしを送っていたルシアス(ポール・メスカル)は、将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により愛する妻を殺され、捕虜として拘束されてしまう。

すべてを失いアカシウスへの復讐を胸に誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)に買われ、ローマへと赴くことに。そこで剣闘士《グラディエーター》となった彼は、復讐心を胸に、力のみが物を言うコロセウム《円形闘技場》で待ち受ける戦いへと踏み出していく――。

作品レビュー

リドリー・スコット監督が再び壮大なローマの世界を描き出した『グラディエーター II 英雄 を呼ぶ声』は、視覚的に圧倒的なスケールと美しさを誇る作品だ。
戦闘シーンやセットデザイン、衣装の細部に至るまで、その緻密な作り込みは観客を魅了する。特にアリーナでの戦いは、前作に引けを取らない壮絶さと迫力があり、想像を超える映像体験となっている。

主人公ルシアス(ポール・メスカル)は、前作『グラディエーター』を鑑賞していれば、その背景が徐々に明らかになるキャラクターだ。前作の公開から24年が経過していることもあり、物語の時系列にも同様の時間が流れていることが感じられる。

ルシアスとマキシマスとの関係が、この続編の重要なテーマとなっている。一方で、双子の皇帝カラカラとゲタは実在の人物であるものの、ビジュアル的には幼稚さが目立ち、その存在感はやや薄い。彼らが簡単に暗殺されそうな印象を与え、物語の緊張感を損ねている部分もある。

しかし、それを補うかのようにデンゼル・ワシントンが演じる悪役マクリヌスは圧倒的な存在感を放ち、物語全体を大きく動かす原動力となっている。彼の演技は他のキャストを凌駕し、観客を引き込む力強さがある。

ポール・メスカル演じるルシアスはカリスマ性を持ちながらも、ラッセル・クロウ演じたマキシマスとは異なる新たな魅力で物語を牽引している。この続編は単なる焼き直しではなく、新しい要素を加えつつオリジナルへの敬意を払った作品として、多くの見どころがある。

『グラディエーターⅡ』は壮大なアクションと美しい視覚効果で観客を圧倒する作品だ。そのスケール感と演技陣の力強さから、多くの観客に強い印象を残すことは間違いないだろう。本作を鑑賞する前に、ぜひ前作『グラディエーター』を再鑑賞してほしい。特にコニー・ニールセン演じるルッシラの変わらぬ美しさと存在感は再確認する価値がある。

『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』11月15日公開


監督: リドリー・スコット
出演 ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー
上映時間:148分
公式サイト
R15+指定
©2024 PARAMOUNT PICTURES

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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