劇場アニメーション「ぼくらのよあけ」作品レビュー

作品紹介

講談社「月刊アフタヌーン」で連載された傑作SFジュブナイル漫画「ぼくらのよあけ」（原作：今井哲也）が、この秋、ついに劇場アニメ化！

ストーリー

西暦2049年、夏。

阿佐ヶ谷団地に住んでいる小学4年生の沢渡悠真は、間もなく地球に大接近するという“ＳＨⅢ・アールヴィル彗星”に夢中になっていた。そんな時、沢渡家の人工知能搭載型家庭用オートボット・ナナコが未知の存在にハッキングされた。

「二月の黎明号」と名乗る宇宙から来たその存在は、2022年に地球に降下した際、大気圏突入時のトラブルで故障、悠真たちが住む団地の1棟に擬態して休眠していたという。
その夏、子どもたちの極秘ミッションが始まった―

作品レビュー

水面、空、宇宙。そしてはるか昔に見た世界。

圧倒的な映像美に心を奪われる！

原作は「月刊アフタヌーン」で連載されていた今井哲也の『ぼくらのよあけ』

SFジュブナイル漫画ではあるが、正直なところ内容的にはやや難しい気がした。

とは言えこの映像美は年齢関係なく響くものがあるだろう。

杉咲花が主人公・悠真、悠木碧が人工知能搭載ロボット・ナナコ、朴璐美が二月の黎明号の声を演じる。

西暦2049年の夏。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生の沢渡悠真は、もうすぐ地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。

学校の勉強はあまり得意では無いものの、宇宙やロボットの事となるとクラスの誰よりも詳しい悠真。

親に強請って買って貰った人工知能搭載型家庭用ロボット・ナナコをさぞかし可愛がるのだろうと思いきや、意外にもかなりの拗らせ塩対応で驚く。

小学生男子あるあるともいえる態度でナナコに接し、これが同年代の女子であれば泣かれるかクラス会議になるかという当たりの強さだ。

それにもめげずに健気に尽くすナナコの愛らしさ。

我が家に来て欲しいくらいには推せる。

そんなある日、ナナコがハッキングされてしまうという事件が起こった。

犯人は「二月の黎明号」と名乗る未知の存在で、宇宙から1万2000年の歳月をかけて2022年に地球にたどり着いたもののトラブルで故障し、阿佐ヶ谷団地の一棟に擬態して休眠していたのだという。

この話が少し難しいかもと思った部分なのだが、理解は出来なくてもざっくりとわかれば話は通じる気もするので子どもと一緒に観に行く際はふんわりと説明してあげると良いかもしれない。

そんな未知なる存在”二月の黎明号”から頼まれた極秘ミッション。二月の黎明号を宇宙に帰すこと。

悠真と親友の岸真悟、皆のお兄ちゃん的存在の田所銀之助たちはそのミッションに乗り出す事になるのだが、それにはかなりの覚悟と水が必要だった。

水道代の心配はとりあえず置いておいて、ミッション達成に向けた一連の行動には高揚感がある。

また、二月の黎明号を宇宙に帰すことにより起こる切ない事実。

彼は、彼らは、果たして約束を叶える事が出来るのか。

壮大な物語を是非ともスクリーンで体感して欲しい。

予告動画

「ぼくらのよあけ」

原作：今井哲也「ぼくらのよあけ」（講談社「月刊アフタヌーン」刊）
監督：黒川智之
キャスト: 杉咲花（沢渡悠真役）
悠木碧（ナナコ役）
藤原夏海（岸真悟役）
岡本信彦（田所銀之介役）
水瀬いのり（河合花香役）
戸松遥（岸わこ役）
花澤香菜（沢渡はるか役）
細谷佳正（沢渡遼役）
津田健次郎（河合義達役）
朴璐美（二月の黎明号役）
横澤夏子（岸みふゆ役）
配給：ギャガ／エイベックス・ピクチャーズ
製作：2022「ぼくらのよあけ」製作委員会
上映時間: 120分
公式サイト

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ: 映画・音楽・本など観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE（フロムイーライフ）』を放送開始。