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『WE ARE LITTLE ZOMBIES』ウィーアーリトルゾンビーズ 作品レビュー

4人の少年少女が世界中を圧巻。青春音楽映画の金字塔、ついに日本上陸!

作品紹介

2017年、タランティーノ(『キル・ビル』)やデイミアン・チャゼル(『ラ・ラ・ランド』)といったフィルムメーカーを生んだ地、サンダンス映画祭でグランプリ(ショートフィルム部門)を獲得した監督・長久允。
そんな新時代の才能、待望の長編デビュー作がついに解禁。早くも本年度のサンダンス映画祭、ベルリン映画祭で二冠受賞
その話題は世界各国へ飛び火し、フランスやアジア圏をはじめとする国々で、新人監督としては異例のスピードで公開も決定。まさに、世界を席巻中の本作が、いよいよ日本へ上陸する!

ストーリー

出会いは偶然だった。
よく晴れたある日、火葬場で出会った4人。ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。みんな、両親を亡くしたばかりだった。ヒカリの両親はバス事故で事故死、イシの親はガス爆発で焼死、タケムラの親は借金苦で自殺、イクコの親は変質者に殺された。なのにこれっぽっちも泣けなかった。まるで感情がないゾンビみたいに。夢も未来も歩く気力もなくなった小さなゾンビたちはゴミ捨て場の片隅に集まって、バンドを結成する。その名も、“LITTLE ZOMBIES”。やがて社会現象になったバンドは、予想もしない運命に翻弄されていく。嵐のような日々を超えて、旅のエンディングで4人が見つけたものとは―

予告動画

作品レビュー

親の死は辛くて悲しいと経験上知っている。しかし13歳の少年少女たちは無機質な感情で両親の死を傍観している。あまりにも突然の死に対応できず、悲しみを実感できずにいた。

葬儀の習慣をよく理解できない主人公のヒカリの視点からスタートし、4人は火葬場で出会い”LITTLE ZOMBIES”を結成する。両親らの死のエピソードや、虐め、貧困、自殺、家庭内の問題と今の日本の世相を反映し、家族のあり方を考えさせられる。

ゾンビのように無感情な子どもたちが主役で、その周囲を取り巻く大人たちの腹黒さが露出する。明るいけど素直には笑えないブラックなコメディ。

中盤から場面が一転しテクノポップなサウンド『LITTLE ZOMBIES』のミュージカルシーンと、冒険が融合したファンタジックな物語がスタートする。仲間と音楽の中で彼らがどう感情を取り戻して行くのだろうか。

主人公たちの両親や、周囲の大人たちを演じる俳優陣は実力派揃いと超豪華で、個性派・演技派のキャストたちが揃い踏みしている。

全体的にクリエイティブでアートな世界観がデザイニングされ、衣装や映像を見せる視覚的な効果と音楽で日本のポップカルチャーを発信している。長久允監督の目指すところはやはり世界なのだ。

120分の中で90曲の音楽が鳴り響き、ファミコン時代の低ビット音楽を再現。他にもオペラやパンクなど、様々なジャンルのネオミュージカル映画。

劇中バンド『LITTLE ZOMBIES』の演奏シーンでは、iPhoneを使用し1カットで撮影された神業映像が用意されている。キャストがいきなり歌い出すのが苦手な方も多い典型的なミュージカルの壁を取り払い、中盤から音楽映画と気づく仕掛けがされている。

両親が突然死んでしまった子供たちの心理的なダメージに焦点を当てず、彼らが出会い音楽を通じて成長するアドベンチャーワールド。『LITTLE ZOMBIES』が演奏する『WE ARE LITTLE ZOMBIES』は、一度聞いてしまうと頭から離れないほど強く印象に残る。下記のYouTubeの音楽ビデオを一度観てほしい。

公式ミュージックビデオ

『WE ARE LITTLE ZOMBIES』
2019年6月14日(金)イオンシネマ旭川駅前、
2019年7月12日(金)ユナイテッド・シネマ札幌にて公開

監督 : 長久允
出演: 二宮慶多、水野哲志、奥村門土、中島セナ、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、初音映莉子、村上淳、西田尚美、佐野史郎、菊地凛子、永瀬正敏
※PG12
上映時間 : 120分
配給:日活
公式サイト
©2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS

投稿者プロフィール

佐藤 友美
2013年にHokkaido Movie Review・新作映画の最速レビューサイトを立ち上げ『映画レビューサッポロ from HMR』として2017年10月にwebを一新。
旅好きで映画ロケ地のツアー取材が得意。FMラジオでの映画紹介を経てからの映画ライターと本Webサイトのデザインを担当。
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