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インテリ教授たちの大逆襲!『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』あらすじ 感想

 

作品紹介

落ちこぼれインテリが結集。頭脳フル回転の逆襲が始まる!
2009年にギリシャで始まった欧州危機はイタリアにも拡大し、大学の研究費削減など多くの研究者たちの収入はカットされ、職を追われる者も出た。彼らの中には稼ぎを求め、研究者の海外転出は“国の頭脳流出”とも言われた。
本作は、そうした学究の道に進めなかった研究者たちが、その才能を思いがけない方向で生かすという痛快な風刺コメディだ。
神経生物学者の主人公は、ドラッグを製造し、警察に逮捕されたが、獄中、警察と取引し、合法ドラッグの取引を非合法化するために、その成分を分析し、警察の捜索に協力することになる。
大学を追われた各分野の教授たちの中には、不本意ながら、世界各国でテロ組織などに自分が開発した爆弾を売り込む者もいた。才能がありながら、人生のチャンスや転機に巡り合わない不遇な研究者たちが再び結集した。
メンバー同士かばい合い、お互いを認め合うかと思えば、プライドの高さや意見の相違から、ののしり合うことも少なくなかったが、友情にも似た奇妙な仲間意識も芽生えてくる。抱腹絶倒の追跡劇が展開する。

ストーリー

ピエトロ・ズィンニ(エドアルド・レオ)とその同僚たちは、生き延びるために超絶合法ドラッグの製造に精魂を傾けた結果、犯罪者となった。ところが今度は警察が彼らを必要とする。パオラ・コレッティ警部(グレタ・スカラーノ)は服役中のズィンニに、グループのメンバーをもう一度集めて、スマートドラッグの蔓延を防ぐためのミッションを依頼する。彼らの犯罪歴抹消と引き換えに。

ズィンニの呼びかけで例の7人のドラッグ製造連中が再結集。新たなミッションを遂行するには、近年の頭脳流出によって国外へ出ていた研究者の多くを、イタリアへ呼び戻さねばならない。ズィンニはコレッティ警部と共に海外に潜む優秀な研究者たちのリクルートへと向かう。そして10人の新たなチームが結成された。

次々にミッションをこなしていくズィンニたち、しかし大物“ソポックス”にだけはたどり着けなかった。“ソポックス”に必要な成分がピルから抽出できることに気づいたズィンニは、大量のピルが狙われると踏んでピルを追跡する。ピル強奪に新たな敵(ルイジ・ロ・カーショ)が現れた。果たしてズィンニは釈放され、妻(ヴァレリア・ソラリーノ)と生まれたばかりの子どもが待つ病院に駆けつけることができるのか……

 

試写の感想

おじさん達、ギャング頑張ってます。

体力なし。手際はなんだかぎこちなく、フットワークは重い。相手に抵抗されれば逃げるし、危険な場所に潜入すれば当然すぐに怪我をする一見普通のおじさん達。スパイ映画に出てくるツワモノはいない。けれども、持ってる知識では誰にも負けない、おじさん軍団。

優れた頭脳を持ちながら運に恵まれず、その才能を活かすことなく犯罪に手を染めてしまったアンラッキーな”研究者ギャング”達が今作の主役だ。

ツイていないおじさん達のリーダーは食器洗い機代欲しさに麻薬を製造。そして警察に捕まる。罪の帳消しを条件に警察と手を組み、個性バラバラの9人のインテリ仲間を引き連れ合法ドラッグの撲滅にその知恵を貸すことになる。

イタリア語だからかなのか、専門知識を詰め込みまくっているからなのか、会話はとにかく早口のオンパレード。展開はコメディらしく、あれよあれよと進んでいき、疾走感全開。

優れた頭脳を活かす機会を得られなかったギャング達が能力を存分に発揮し、世の中のために意気揚々と暴れ回る姿は愉快であり爽快だ。

前作「いつだってやめられる7人の危ない教授たち」の続編にあたるが、本作から見ても十分に楽しめる作品だと思う。

予告動画

『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』

公開日:6月16日(土)
公開劇場:札幌シアターキノ

監督・原案・脚本:シドニー・シビリア
出演:エドアルド・レオ、ルイジ・ロ・カーショ、ステファノ・フレージ、グレタ・スカラーノ、ヴァレリア・ソラリーノ
上映時間 :105分
映倫区分 :PG12指定
原題 : Smetto quando voglio
配給:シンカ

公式サイト

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投稿者プロフィール

Atushi Kitashima
なんとなく立ち寄ったミニシアターで映画の面白さを知り、学生時代に日本映画に夢中になりました。
最近は邦画・洋画問わず、アクション、ミステリー、ホラーを好んで観ていましたが、映画レビューサッポロへの参加をきっかけに、より幅広いジャンルの映画の魅力を知りたいと思っています。
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