• 道内最大級の映画レビューサイト

菅田将暉主演 「CUBE 一度入ったら、最後」作品レビュー

作品紹介

1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督による映画「CUBE」。
密室サスペンスの先駆けとして、世界中でカルト的人気を誇るこの作品を、日本を代表する実力派俳優陣により、ヴィンチェンゾ・ナタリ初の公認リメイクとして登場します。
主演の菅田将暉をはじめ、杏、岡田将生、田代輝、斎藤工、吉田鋼太郎と日本屈指の名優たちが勢揃い。謎の立方体「CUBE 」を舞台に、 全世界を巻き込む 2021 年一番”ヤバい”劇薬系密室エンタテインメント を是非ご期待ください。

ストーリー

目が覚めるとそこは謎の立方体=CUBE の中だったー。そこに突然閉じ込められた男女6人。エンジニアの後藤、団体職員の甲斐、
フリーターの越智、中学生の千陽、整備士の井手、会社役員の安東。彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま 、脱出を試みる彼らを 、熱感知式レーザー、 ワイヤ ースライサ ーや火炎噴射など、殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして 徐々に表れていく人間の本性 。恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。果たして彼らは無事に脱出することはできるのか?!

作品レビュー

ある日突然、無機質な謎の立方体に閉じ込められた6人の男女。
殺人トラップの仕掛けられた部屋も存在する恐ろしい場所からの脱出劇は、それぞれのトラウマを容赦なくあぶり出す ー

謎の立方体の中で出会った彼等は年代も職業もバラバラで、たどたどしい自己紹介を見るに何の接点もつながりもない。
誰もがここへ閉じ込められた理由もわからないままただひたすらに脱出を試みるのだが、移動した先は必ずしも安心出来る空間では無かった。
誤って足を踏み入れると発動する様々な殺人的トラップに驚くが、更に恐ろしいのはそれらの仕掛けだけでは無く共に逃げる為に結束するべき仲間の存在だ。
そこには”心をひとつにして皆でこの局面を乗り越えよう”などという発想はなく、ギスギスとしたやりとりばかりが目立つ。
なんとか協力し合おうと画策する後藤裕一(菅田将暉)の努力が見ていて切なくなった。
脱出するためのヒントを導き出す作業すら他人任せで、極限状態であらわになる本性。
それが非常に人間らしく感じる瞬間があった。

菅田将暉や吉田鋼太郎など凄腕の役者が訳アリの人物を演じているのだが、中でも岡田将生が扮するフリーターの越智真司がこの作品の肝なのではないだろうか。
予期せぬ出来事や人からの圧力におどおどしたり振り回されたりする演技をさせると岡田将生の右に出る者はいないと思っているのだが、今作ではそこからの覚醒に目を離せなかった。
繊細で、少し神経質そうな越智真司がこのような場所に閉じ込められたら…
正にそれを完璧に表現しているように感じ、思わず拍手を送りたくなる。

1997年に製作されて以降、世界中でカルト的人気を誇るカナダ発のシチュエーションスリラー「CUBE」を日本人に反映させたらどうなるか。
それがこの企画の原点だという。
監督は映像クリエイター・清水康彦。
残酷なシーンはあるが非現実的な状況の為、日本映画的な精神的恐怖というのはあまり感じる事なく観る事が出来る作品だった。
オリジナル版の監督であるヴィンチェンゾ・ナタリがクリエイティブ協力として参加した初の公認リメイク作品となるのだが、結末は日本版独自の為そこにも注目して鑑賞して欲しい。

予告動画

CUBE 一度入ったら、最後


原 作 :ヴィンチェンゾ・ナタリ「 CUBE 」
出 演 :菅田将暉、杏、岡田将生、田代輝、斎藤工、吉田鋼太郎
監 督 :清水康彦
製 作 :「 CUBE 」製作委員会
配 給 :松竹株式会社
公式サイト
©  2021 「 CUBE 」製作委員会

投稿者プロフィール

兼平ゆきえ
兼平ゆきえ
映画・音楽・本 など 観たり聴いたり読んだりと忙しく過ごすのが好きなインドア派。恵庭発 北海道のMUSIC&ART情報サイト From E…代表。不定期で企画LIVEを開催。2018年7月から 恵庭市のコミュニティFM e-niwa にて、映画や音楽の話を中心とした番組『From E…LIFE(フロムイーライフ)』を放送開始。
error: Content is protected !!