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『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 作品レビュー

作品紹介

『逆襲のシャア』から32年――、その世界を色濃く引き継ぐ富野小説作品が劇場アニメ化! 変更なし: 『逆襲のシャア』から32年――、その世界を色濃く引き継ぐ富野小説作品が劇場アニメ化!

ガンダム誕生40周年、さらに宇宙世紀の次の100年を描く「UC NexT 0100」プロジェクトの映画化作品第二弾として制作される『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、宇宙世紀サーガの最新作であり、アムロとシャアによる最後の決戦を描いた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)の世界観を色濃く継承する作品である。そして劇場版3部作の第1作目として2021年5月に公開となる。

原作は、1989~1990年にかけて全3巻が出版された、ガンダムシリーズの生みの親・富野由悠季による書き下ろし小説。『機動戦士ガンダム』から連なる宇宙世紀サーガに属する作品で、『機動戦士ガンダムUC』や『機動戦士ガンダムNT』よりも未来の話となるU.C.0105が舞台となる。

『機動戦士ガンダム』をはじめ歴代作品や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にも登場したブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアを主人公とし、地球連邦政府に反旗を翻す武装組織「マフティー」の動向を追うのが物語の骨子である。


監督は、『機動戦士ガンダムF91』で作画監督を、『新機動戦記ガンダムW』でキャラクターデザインを手がけ、近年では映画『虐殺器官』で監督を務めた村瀬修功。
脚本には、『機動戦士ガンダムUC』でも小説のアニメ化にあたり辣腕を振るったむとうやすゆきが参加。キャラクターデザインにはイラストレーターのpablo uchidaのほか、ベテランアニメーターの恩田尚之、工原しげきが名を連ね、メカニカルデザインにもカトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦といったガンダムシリーズを支えてきた実力派がクレジットされた。音楽は、『UC』、『NT』で宇宙世紀に新たな音を響かせた澤野弘之が引き続き担当する。

映像制作は、『UC』、『NT』、『ガンダム Gのレコンギスタ』などを制作するサンライズ第1スタジオ。富野小説の濃厚なドラマを映像化するべく、スタジオ、そしてサンライズが総力を挙げて制作に取り組む一大プロジェクトである。

ストーリー

――ネジェンって、知ってるかい?
それを知っているなら、連れていってあげる。
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)の終結から12 年が経過した U.C.0105――。 

人類と宇宙世紀の未来を示すかと思われた アクシズ・ショック を経ても、世界は変わらず混乱状態にあり、断続的に軍事衝突が発生していた。地球連邦政府の腐敗もさらに進んでおり、上層部は地球の汚染を加速させただけでなく、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」を行っていたのである。

そんな地球圏の腐敗に立ち上がったのが、「マフティー・ナビーユ・エリン」と呼ばれる人物が率いた 反地球連邦政府組織 「マフティー」で あった。彼らは地球連邦政府高官を次々と暗殺するという苛烈な武力行使 に手を染めていたが、連邦政府への反発を強める民衆からは一定の支持を得ていた。

その「マフティー」を名乗り、指揮する人物こそ、かつて一年戦争にも参加した地球連邦軍士官ブライト・ノアの息子で、 シャアの反乱 にも参加していたハサウェイ・ノアであった。アムロ・レイ、シャア・アズナブルの理念と理想を肌で知る彼は、ふたりの意志を宿した戦士として、武力による抵抗から道を切り拓こうと画策していたのである。

アムロ・レイ、シャア・アズナブルの理念と理想を肌で知る彼は、ふたりの意志を宿した戦士として、武力による抵抗から道を切り拓こうと画策していたのである。だが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いが、彼の運命を大きく変容させるのであった。

作品レビュー

映画版『逆襲のシャア』(原作は機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン)の続編として、映像化は無理と言われていた富野 由悠季の書き下ろし小説を映画化!

主人公は、初代ガンダムでホワイトベースの艦長を務めたブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアである。シャアの反乱から12年後、短い軍役を経て地球で植物監察官候補として研修を受けるため、コロニーの農業ブロックからの帰り、乗り合わせたハウンゼン356便でマフティーと名乗るテロリストのハイジャック攻撃に遭遇し、襲われるというショッキングな事件から物語はスタートする。

地球連邦軍や政府高官の腐敗で混沌の中、地球の汚染は進み格差社会が浮き彫りとなっていた。反地球連邦政府組織 「マフティー」が今回のテロを企てたというが、真相は異なる方向へと進んでいく。
シャトルで出会った少女ギギとケネス大佐との奇妙な人間模様が交錯し、やがて新たな戦いの火種が生まれようとしていた。


主人公・ハサウェイがガンダムシリーズに初めて登場したのは、『機動戦士Ζガンダム』で彼はまだ少年だった。その後の映画『逆襲のシャア』でハサウェイはティーンエイジとなり、クェス・パラヤという少女に出会い惹かれるが、クェスはハサウェイの手を振りほどき、シャアの元へ行きネオ・ジオンとなり結果クェスは帰らぬ人へ。

クェスの死が大きなトラウマとなったハサウェイは、ギギにクェスを投影し彼女に惹かれ守ろうとする。さらにケネス大佐にはシャアを重ねてしまう。次第にケネスとハサウェイは対峙していくようになる。

ドラマティックで深いシチュエーションとダイナミックな映像美に圧巻。フィリピンダバオのリアルな描写や、主人公機「Ξ(クスィー)ガンダム」とライバル機「ペーネロペー」の戦闘シーンは、ユニコーンガンダム時の技術では考えられないほどに進歩した。

『閃光のハサウェイ』を楽しむには、事前に『逆襲のシャア』を観るべきである。過去を引きずりながらテロリストとして闘う、ハサウェイの変化や戸惑いが感じられるはずだ。

閃光のハサウェイ三部作の序章として、アニメファンはもとより機動戦士ガンダムから始まる宇宙世紀シリーズを観たことが無い方にも、楽しめる映画となっている。

予告動画

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

企画・製作:サンライズ
原作:富野由悠季、矢立 肇
監督:村瀬修功 脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:pablo uchida、恩田尚之、工原しげき
キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦
メカニカルデザイン原案:森木靖泰
色彩設計:すずきたかこ
撮影監督:脇顯太朗
CGディレクター:増尾隆幸、藤江智洋
編集:今井大介
音響演出:笠松広司
録音演出:木村絵理子
音楽:澤野弘之
主題歌:[Alexabdros]
キャスト:
ハサウェイ ノア  小野賢章
ギギ アンダルシア  上田 麗奈
ケネス スレッグ  諏訪部順一
上映時間: 95分
公式サイト
©創通・サンライズ

 

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